東京都と目黒区は6月11日、上目黒のJR宿舎跡に東京音楽大学が進出すると発表した。大学側が約8千平方メートルの敷地を買い取り新キャンパスをつくる。2016年に着工し、18年度に完成する見込み。キャンパスは南池袋に続いて2カ所目。JR宿舎跡は東急東横線の中目黒駅と代官山駅の中間にある。購入額は77億7千万円。審査の結果、東京音大を代表とするグループを選んだ。建物は地上3階、地下1階建て、延べ床面積は1万7千平方メートル。教室や音楽ホールが入り、図書館や食堂は地域に開放する。交流広場も設ける。
実在する企業が立ち並ぶリアルな街を子供に合わせた約3分の2というサイズで構成することで、仕事を選び、独自通貨による買い物や習い事などをして遊びながら社会の仕組みを学ぶことができる職業・社会体験施設「キッザニア」を展開するKCJ GROUP株式会社。同社がこのたび施設貸切型の企業研修プログラムの提供をスタートし、第一号となる研修が6月1日、兵庫県西宮市の「キッザニア甲子園」で行われた。
研修を受けたのは京都に本拠を置き、小・中学生を対象とした進学塾をはじめ、大学受験、英会話、日本語学校、保育事業といった幅広い総合教育サービスを手がける株式会社京進。参加した社員はほぼ全員にあたる約600名で、ランダムに編制されたチームに分かれ、子供の目線で職業体験を楽しみながら、キッザニアが掲げる企業哲学を学んだ。
研修内容は、まず大まかに200名ずつの3グループに分かれ、1グループが座学を行う間、残り2グループは約60あるパビリオンで約90種類用意されているアクティビティを体験した。
座学ではキッザニアが掲げるコンセプトである、エデュケーション(教育)とエンターテインメント(娯楽)を兼ね備えた「エデュテインメント」の考え方についてのプレゼンテーションから始まった。
次に、子供たちと触れ合うにあたって重要となる「子供への伝え方」「子供の言葉の引き出し方」「子供の褒め方」について実例を挙げながら説明がなされた。一例としては「なぜできないの?」というネガティブな言い方をせず、「どうしたらできると思いますか?」と言い換えることで真意をポジティブに伝えるといったことだ。研修を受ける社員たちは、普段接する子供たちのことを思い浮かべつつ、明るい表情でその説明に熱心に耳を傾けていた。
これらの研修内容についてKCJ GROUP株式会社キッザニア事業本部営業部長の関口陽介氏は、「当社がこれまで培ってきたお子さまへの向き合い方、ホスピタリティの基本などを伝える教育研修は、かねてより様々な企業さまよりご好評をいただいていました。
特に講演会などで、キッザニアのマーケティングや広報体制、ホスピタリティなどの説明すると、ぜひ、研修プログラムを構成して、社員を受け入れてほしいといった声が多く寄せられてきました。そこでいっそのこと体制を整えようということで、新たに施設まるごと貸し切る形での研修をスタートさせることにしました」と語る。施設の貸切そのものは、キッザニアにパビリオンを提供しているスポンサー企業の福利厚生や、キャンペーンとして行ってきた実績があるため、日常の運営と齟齬をきたすことなくスムーズに実施することができる。
また同社では、キッザニア体験が子供たちの内発的動機づけの促進や職業観の変化にどう影響するかについて、立教大学心理学部との共同研究を通じて客観的な数値による実証を行ってきた。また小・中学校向けのキャリア教育実践プログラムの実施、世界15ヶ国に展開する海外のキッザニアと連携した交換留学プログラムの実施、大学生インターン受け入れによる学生の社会人基礎力やコミュニケーション能力の向上など、さまざまな形で教育コンテンツを充実させてきている。それらの成果が研修プログラムのバックボーンになっていると言える。
「今回は京進から約600名の参加をいただきましたが、少人数で複数の企業による共同開催も可能。人数や規模については柔軟に対応したい」という。
一方、キッザニアでの研修を決めた京進は、これまでも全社員を対象とした研修を毎年行ってきたという。過去には有名旅館の仲居さんに学ぶ機会を設けたり、勤続年数に応じた海外研修なども行ってきた。そうした中で今回、キッザニアにとっても初めてとなる施設貸切型の研修を選択した理由について、京進の樽井みどり取締役総務本部長は「キッザニアは、子供たち自身が自分の未来の可能性を見つけることを助けてくれる場所。
私たちも普段子供たちと接し、どんな接し方や語り方をすればやる気を引き出せるか、自身の未来について真剣に考えてもらえるのかを日々模索しています。社員の皆さんには、まずは童心にかえって子供たちの気持ちを想像してほしい。そして子供たちの可能性を引き出す力を手に入れる触発になってくれたら」と語る。
キッザニアでの研修に参加した小中教務部の遠藤美沙さんは、テレビ大阪がスポンサーとなっているパビリオンで、番組を製作して疑似放送するアクティビティを体験した。
「これまで観ているだけだったテレビが、裏ではこんな風に製作されていたのかと勉強になりました。いろんなものが、自分の知らない人によって作られているんだという感覚を得られたのが良かったと思います」と語っていた。仕事に対する姿勢などについても、「これまで自分のやっていることしか知らなかったので、ものの見方が変わりそう」と大いに刺激になったようだった。
キッザニアでの教育研修に関する問い合わせは、KCJ GROUP・事業本部(TEL.03・3532・1321)まで。
興学社学園の合格出陣式が4月18日に日比谷公会堂(東京・千代田区)で開催された。興学社学園は、「プリンス進学院」「進学教室興学院」「東大ゼミナール」の3ブランドを展開している東京都・神奈川県・千葉県の小学生・中学生向け総合学習塾グループ。
この「合格出陣式」は、その興学社学園に通う中学3年生の高校受験生が、受験に向けて決意と覚悟を固め、合格に向けた受験勉強に集中するための「出陣式」だ。生徒だけでも1400人以上が一堂に会した出陣式は、興学社学園の受験にかける熱気にあふれていた。
池田晃学園長は、「完全燃焼の受験生たれ」と題した講話で受験生にエールを送り、「志望校に絶対合格するのだと固く信じ、日々の勉学に完全燃焼しよう。『絶対できる』という強い決意を持ってがんばってほしい」と語りかけた。
プログラムは、4月度の学内テストにおいて優秀な成績を収めた校舎、生徒たちの表彰式のほか、国内外で高い評価を受ける創作和太鼓集団「打鼓音」の和太鼓の演奏や有志の講師陣による「ソーラン節」も披露されるなど、刺激的で粋な演出で会場のピークに達した。そして、卒業生たちによる「卒業生合格体験発表」で、3人の卒業生が登壇し、後輩たちに向けてそれぞれの受験体験を語った。同じクラスの仲間、夏期講習会、夏期特訓合宿での体験など、辛く苦しい中で、努力が形となっていく道のり、そしてその先にあった志望校合格の喜びが語られた。
受験生たちにとって、先輩たちの口から受験体験を直接聞けたことは、指針となるだけでなく、何よりも励みになったのではないだろうか。
秒単位で構成された2時間にわたる式は滞りなく終了した。しかし、式が始まる前はどこか緊張感を欠いたような顔つきだった受験生たちだったが、合格出陣式が終わり、会場をあとにするころには、精悍な顔つきへと見間違えるほどだった。受験に向けて、それぞれが決意と覚悟を固めたに違いない。受験生の武運を祈る。
株式会社パピルス書房(京都府)は、6月11日(木)、キャンパスプラザ京都にて「教育情報セミナー2015」を開催。第1部には近畿地区の中学校、高等学校の事情に詳しい、龍谷大学附属平安中学・高等学校の校長補佐の平井正朗氏を招聘。「中高入試の総括と分析〜京阪神を中心に〜」と題し、関西の中高入試の全体像はもとより、トレンド情報、そして学習塾関係者からの地道なヒアリングを元にした地に足の着いた分析を展開。「子供の体は無限。あらゆる角度から教え込んでいったらいいと思います。(学校、塾の)両方から勉強する力をつけ、校塾連携を進めたい。」と述べた。京都全域から集まった学習塾関係者は食い入るように平井氏のレクチャーを聞き入り、これからの生徒指導にも役立つ内容となったようだ。
第2部には(株)エデュケーショナルネットワークの浅見喜久氏による「塾生獲得と退塾防止の有効策」と題した講演、別会場にて教材の展示会などもあり、内容の詰まったイベントとなった。