Category: 塾ニュース|グローバル

大阪府教委、全国学力テストを内申点に活用

大阪府教育委員会は、国が実施している全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を、公立高校入試の合否判定に使われる中学3年の内申点の基準づくりに活用する方針を固めた。府教委によると全国初とみられる。全国学力テストは、学習の成果を把握して指導の改善に役立てることを目的としており、「趣旨に逸脱する」という懸念の声が識者から出ている。府が独自に実施する府内統一の「チャレンジテスト」と組み合わせ、中学校ごとに内申点の平均値の目安を設定する。10日の教育委員会議で決める。

小学生英語、各社様々

学研ホールディングスが3月に始めた小学生向けのオンライン英会話講座。講師はセブ島にいるフィリピン人。自宅のパソコンにインターネット電話「スカイプ」をつなぎ、画面越しに顔の表情を見て話す。ベネッセホールディングスは昨年11月、全国約400教室ある「こども英会話のミネルヴァ」の運営会社を十数億円で買収。英会話のイーオン(東京・新宿)は受講生の学習計画や理解度などを測定するシステムを導入し、小学校卒業時に中学校卒業段階レベルに相当する英検3級の取得を目標に掲げる。

英語4技能試験に伴い教材は? 授業は? どうあるべきか

一般社団法人実用英語推進機構は4月6日、学習塾をはじめとする教育サービスの関係者や教材会社を集め、「英語評価の4技能化に伴う教材の在り方に関する説明会」を国際文化会館(東京・港区)で開催した。

説明会に先立ち、今回のセミナーに協力をした株式会社興学社の池田晃代表が「日本の民間教育者も英語改革について全力で取り組まないといけないと思っています」と今回のセミナーが開催された意義を語った。

英語教育改革の説明会の様子

説明会には150名を超える関係者が集まった

続いて、株式会社ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)の込山智之氏と公益財団法人日本英語検定協会(以下、英検)の塩崎修健氏が、それぞれが実施している4技能(読む」「聞く」「書く」「話す」の能力)英語検定試験について講演した。

ベネッセは「GTEC CBT」という試験を主催しており、この試験はコンピューターの画面に問題を表示し、キーボードやマウスで解答を入力するスコア型4技能英語検定試験になっている。対する英検は、いくつかの英語力検定試験を設けているが、今回は日本における「大学教育レベルにふさわしい英語力」を測るための「TEAP」について説明があった。

この2つの試験の特徴は、高等学校の学習指導要領をベースに、大学でプレゼンテーションを行ったり、論文を読んだりするアカデミックな活動を想定した英語能力を測定する試験であることだ。そして、どちらもCEFR(Common European Framework of Reference for Languagesの略。語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格として、欧米で幅広く導入されつつある)のレベルも参照できるようになっており、大学入試にも活用できるようになっている。実際にこの試験を活用している大学も増加しているそうだ。

最後は、今回のセミナーを主催した実用英語推進機構の代表理事である安河内哲也氏による特別講演が行われた。

安河内哲也氏

実用英語推進機構の安河内哲也代表理事

安河内氏は、日本の英語教育が文法に偏重していると述べ、教師も生徒も一言も英語を発話しない、歪んだ英語の授業形態が常態化している点を断罪した。その上で、「生徒に発話させないといけない。教材は先生が教えるのを前提に作るのではなくて、生徒がやるということを前提に作っていかないといけないんです」と続け、これからの英語教材開発のヒントが数多く提案された。

同セミナーについては『月刊私塾界』5月号においても詳細をレポートするので、ぜひご一読いただきたい。

東大、海外向けコース7割辞退

東京大学教養学部の海外学生向け秋入学コースで、2014年度合格者61人のうち、約7割の41人が入学しなかったことがわかった。海外の有力大学に進んだ学生が多いとみられる。国内向け一般入試合格者の辞退者は1%未満の東大だが、国際的には厳しい学生獲得競争にさらされている。同コース「PEAK」は英語による授業のみで卒業できる。14年度の志願者は262人で、ニュージーランドや中国など15か国・地域の学生が合格。しかし、東大によると欧米の有力大やシンガポール国立大などに進んだ学生がいる。

海外留学8年ぶり増、6万138人 12年度

2012年の日本人の海外留学者数は6万138人で前年を2637人(4・6%)上回り、8年ぶりの増加となった。文部科学省が発表した。海外の高等教育機関で学ぶ大学生や社会人を、経済協力開発機構(OECD)やユネスコなど各種の国際統計をもとに集計した。留学先は中国が2万1126人(前年比17・6%増)で、1983年の調査開始から初めてアメリカを上回って最多となった。アメリカは1万9568人(同2・0%減)、イギリスは3633人(同1・9%減)、台湾は3097人(同8・2%増)だった。

7外大、通訳ボランティア育成で連携

東京外語大と神田、名古屋、京都、関西、神戸市、長崎の各外国語大7大学が連携し、2020年の東京五輪・パラリンピックを見据えて今夏から学生や卒業生を対象とした通訳ボランティアの育成プログラムを始める。五輪への貢献を通して学生の学習意欲向上にもつなげたい考えで、初年度の受講者数は約200人を見込んでいる。選手団や運営スタッフとの間で円滑なやりとりができるレベルを目指し、プログラムは4日程度を想定。教員が通訳の基本的な技術や異文化の生活習慣を教えるほか、接客のプロを講師として招きマナーも学ぶ。

英語で数学の授業を 教育開発出版がイマージョン教育の実現に向け一歩前進

学習塾・学校向け教材出版の教育開発出版株式会社は3月20日、「英語イマージョン教育ワークショップ」を東京・千代田区の同友クラブで開催した。このワークショップは、同日リリースされた「新中学問題集(新中問)数学1年 英語イマージョン版」を使用した模擬授業をはじめ、業界初となる英語イマージョン教材を開発した経緯や英語教育改革に向けた講演などが行われた。

教育開発出版の糸井幸男常務

教育開発出版の糸井幸男常務

イマージョン教育とは、第二言語で教科を教えることによって、その言葉を習得させる教育プログラム。ワークショップに先だって登壇した、同社常務取締役営業本部長の糸井幸男氏は、同教材を開発した目的に、進行する少子化、通塾率の低下など取り巻く環境が厳しい学習塾の活性化を挙げた。

糸井氏は「グローバル化をテーマとした新学習指導要領が、2020年に全面実施(18年より先行実施)されることになっており、学校の英語指導プログラムが大幅に変化する。しかし、大幅な変化ゆえに、学校だけでは対応できないことが予想され、学習塾の存在が重要になる。その学習塾が、グローバル化に対応するための教材として開発した」と開発目的を述べた。さらに、この教材を導入することによって、学力上位層に対する訴求力を上げるだけでなく、社会貢献の側面から講師のマインド向上にも繋げることができ、学習塾の新たな魅力を創出することもできるという。

開倫塾の林明夫代表次に講演を行ったのは、英語版教材の制作を同社に提案した開倫塾の林明夫代表。林氏は、英語教育改革の必要性を説き、オールイングリッシュによる中学数学の模擬授業大会を同塾主催で開催するなど、イマージョン教育を熱心に進めている。その経験から、とくに指導する講師の確保について、地元大学の留学生を起用するのがいいと参加者にアドバイスした。

オールイングリッシュの模擬授業を披露したブライアン・ショウ氏最後に、ブライアン・ショウ氏による同教材を使用したオールイングリッシュでの模擬授業が行われた。アメリカ人のショー氏は、指導・研修プログラムの作成や、日本人の中高生向けに、オールイングリッシュでの数学・化学の授業の講師を数多く務めるなど、英語教育現場における豊富な経験を持つ。

ショウ氏は「数学がわからないと英語でやるのはもっと難しいため、高校生などより多くの層がこの問題集を利用してもいいと思う」と語った。

同社は、英語イマージョン版の導入するための研修会などを無料で実施する予定だといい、各塾の早期導入に向けた支援もおこなう。

TOEFLやTOEIC「学割」検討

英語の資格検定試験の運営団体や学校関係者による連絡協議会が3月17日、文部科学省で開かれ、英語の検定試験を大学入試や学校教育に活用しやすくするため、受験料減額に取り組むとする行動指針をまとめた。大学生や高校生らに「学割」を設ける方向で各団体が検討する。協議会に参加しているのは、実用英語技能検定(英検)やTOEFL、TOEIC、GTEC、IELTSなどの英語試験の運営団体。受験料が2万円を超える試験もあり、大学入試や授業で活用するには経済的負担が大きいことが課題となっている。

東京芸大、世界4美大で「共同学位」

東京芸術大は2月23日、ロンドン芸術大、パリ国立高等美術学校、米国のシカゴ美術館付属美術大と、4大学での「共同学位」の設置に向けた連携協定を結んだ。東京芸大は新年度、10人程度の大学院生と教員がパリで2週間の共同授業を行った後に、新潟県で開かれる芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ」で成果を発表する。2、3年後には、4大学の連名で修士の学位を得られるようにする方針だ。これまで、それぞれの大学と交流協定を結んできたが、今後は4大学間で教員や学生を交流させるという。

小学校の英語への取り組み様々

「休憩中にゲームを楽しんだり、給食や掃除の時間の校内放送で歌を流したり」各地の小学校で、授業以外で英語と触れる機会を児童に提供しようという取り組みが広がっている。背景には、国の示した方針がある。文部科学省は11年度、小学校での英語を「外国語活動」として必修化した。20年度には英語教育の開始時期を小学3年生にまで引き下げるとともに、5年生から正式な教科に格上げする計画だ。