東京都教育委員会は、2018年9月末までに江東区青海2丁目の「タイム24ビル」内に「英語村」を開設すると発表した。1~3階の計約5800平方メートルで、一度に600~800人が利用できる規模という。整備や運営は民間事業者に委託する方針で、都が4億5千万円を上限に施設改修費の2分の1を補助し、共益費を含むビル賃料は全額補助する。募集要項は今月下旬に公表する。英語村の対象は、主に都内の小学5年生から高校生。通所型と宿泊型のプログラムがあり、外国との交流イベントなども開く。
国と経済界が2014年に創設した海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」の5期生の募集が3月8日に締め切られる。2月5日に発表された第4期の選考結果は、260の大学から応募した1415人のうち、437人が最終選考を通過。高校生コースも第1期から第2期で3倍の1750人が応募しており、募集のたびに応募人数が増えている。
同プログラムでは、提出書類や面接を通じて、学生が立てた留学計画と積極性などの人物像をみて選考した。原資は企業や団体からの寄付によるもので、渡航先などに応じ、月10~20万円を最長2年、学費を最大60万円、渡航費を最大20万円支給する。
現在募集中の第5期では、海外への渡航経験が少ない学生の留学を応援する枠を新たに設けることにより、これまでは渡航期間3ヶ月以上を推奨していたが、28日以上の短期の留学計画も支援することにした。選考においては、海外経験の少なさを考慮して、より人物面を重視した評価をおこなう。また、留学計画書に記入必須だった「実践活動」の具体的受入先機関名も任意とするなど応募しやすくしている。
(一部事実と異なる表現があったため訂正しました)
文科省による海外留学支援プログラム「トビタテ! 留学JAPAN」は、株式会社サマデイ(東京都千代田区、相川秀希代表)の提供するオンラインポートフォリオシステム「Feelnote」を採用し、2月より運用をはじめた。
「Feelnote」のスマホ画面
Feelnoteとは、SNSのように日々の活動経験を記録・保存・共有できるシステムのこと。学校や部活、課外活動などの様子を簡単な操作でインターネット上にアップ・保存することができる。個人が許可すれば、他の生徒や教師が閲覧することも可能だ。
このシステムの大きな特徴の1つが、〝閉じた世界〟で運用できること。法人ごとに認定アドバイザーを置き、承認済みのユーザーのみ参加できる。そのため、外部から素性の知れない利用者が紛れ込むといったこともない。
さらに、保存した大量の活動記録を、フォーマットにまとめる機能もついており、オリジナルのホームページや、大学に提出するポートフォリオを簡単につくることが可能だ。すでに、ハーバード、プリンストンといった名門大学に採用されているオンラインアプリケーション「Universal College Application(UCA)」でも公認されている。
ポートフォリオの出力イメージ
同社では以前から、教員研修センターをはじめ、各種企業研修などでアナログによるポートフォリオの作成を実践してきた。今後、日本では大学入試改革がおこなわれるが、同社では多様な力を伸ばすアクティブ・ラーニングと、それを適正に評価するポートフォリオ作成は車の両輪のようなものと捉えており、それをICTで支援する方法を模索してきた。
トビタテ!留学JAPANのログイン画面
文科省とは昨年8月頃から協議を重ね、機能がむやみに付加されないよう、丁寧にチューニングを進めた。そして、今年1月末にローンチした。「トビタテ!留学JAPAN」では、既にプロジェクトに参加している学生、高校・大学の教職員、支援企業の担当者、事務局のメンター等、約5000人が利用を開始。システム全体として、ユーザー数は、2016年度中に1万人を突破する見込みだ。
国内では、国際バカロレアの認定校などが採用を発表している。ただ、サマデイの相川秀希代表は「国家プロジェクトと、当初から話を進めている複数の教育機関が、安定的かつ効果的に運営できることが大前提」とした上で、「現在進行中の案件、今後の要請についても同様。規模の拡大よりも、導入先が、教育改革・入試改革の環境下で、大きなアドバンテージを得るための基盤づくりを優先したい」と話している。
同社では、クローズドな環境であるFeelnoteを活用すれば、匿名やなりすましによる攻撃を心配することなく、ありのままの自分を発信できるため、広く一般に普及すれば、ITリテラシーの基本教育にも繋がるほか、一億総活躍、地域創生の文脈でも様々な効果が期待できるとしている。Feelnoteに関するお問い合わせは、Eメールで〈info@feel-note.com〉まで。