兵庫県私立中学高校連合会は10月28日、県内の私立高校・中学の2014年度の募集概要を発表した。募集人数は、高校は前年度より165人少ない9808人、中学も10人減の4624人。来年4月に開校予定の東洋大付姫路中(認可申請中)が1校増える。高校の1次募集の出願期間は来年1月6日〜2月7日。入試は一部を除き2月10日から始まり、同14日までに合否を発表する。中学の1次試験の出願期間は、一部を除き12月9日〜来年1月17日で、入試は1月18日から始まり、同21日までに合否を発表する。
明法中学・高等学校(東京都・東村山市)において、全国初となる学科が2014年に創設される。その名は「明法GE(グローバルエンデバーズ)」。ここでは先日おこなわれた説明会の模様を通し、明法中学・高等学校の新たな取り組みについて紹介したい。
科学を通じたグローバル人間の育成を目指して創設される、明法GE。その最高教育責任者に就任したのは、京都大学や滋賀大学などで大学講師を歴任してきた北原達正氏だ。北原氏は「グローバル教育とは英語を話せるようにすることではありません。価値観や文化の違う者たちと協働できる人間を育てること。それを私たちはグローバル教育と定義します。そして科学は物事の客観的な測定、論理的な分析、他者を納得させる表現力を育てるのに大いに役立つものです」と、科学を用いてグローバル教育をおこなう理由を説明した。「ただし、明法GEは科学のみを教えるものでも、科学者を育てるものでもありません。科学的思考は経済、医療、スポーツ、調理など、社会のあらゆる領域で使われていますが、科学的な知識や経験をそうしたさまざまな分野に活かせるよう教育するのが目的です」
明法GEの講座内容は基礎学力向上をはじめ、ロボット研究、実験、アート、ディベート、プレゼンテーションなど11の項目におよぶ。明法GEならではのこれらの授業は毎週4コマ、連続しておこなわれる。こうした授業を実施するにあたっては多彩な道具も必要だが、明法GEでは全生徒分の道具を用意する。
客観的な評価を得るというのも明法GEの特徴だ。生徒には毎学期末に外部のコンテストに出場させ、他者の評価を得られるようにする。教員ではなく「専門家」の評価を得ることで、才能を開花させるチャンスを与えるのだ。さらに明法GEが目指しているのは、「大学に入ってからもさらに伸びる子どもを育てる」こと。スポーツや芸術など、その道の第一線で活躍している人物の多くは、子どもの頃からスポーツや芸術に慣れ親しんでいる。明法GEでは客観的な測定、論理的な分析、魅力的な表現に子どもの頃から触れさせることで、大学へ入ってからもそうした資質がさらに伸びるよう育成する。
全国各地の力のある子どもたちに学んでもらいたいと考える明法GEでは、生徒寮も完備。受け入れ体制も万全だ。2014年度の入学試験は2月1日(土)の午後、2月2日(日)の午前・午後の3回実施。すべての入試回で国語・算数・理科・社会の4科目の試験をおこなうが、このうち国語は40分で80点満点、算数・理科・社会は合計50分で120点満点となっている。普通の受験勉強で充分対応できるとしているものの、問題を解く順番やペース配分など、得点を伸ばす工夫は必要だという。全国初となる「科学」に重きを置いた明法GE。今後の動きが注目される。
〈プロフィール〉
北原 達正(きたはら・たつまさ)
1982年京都大学理学部卒、同大学院理学研究科後期博士課程にて宇宙物理学専攻。京都大学総合人間学部、京都教育大学、滋賀大学教育学部などで非常勤講師を歴任。現在では子どもの理科離れをなくす会代表、NPO法人ロボカップ日本委員会 ジュニア運営委員、彦根市サイエンスプロジェクト実行委員長、明法中学・高等学校 明法GE(グローバルエンデバーズ)Chief Educational Director(最高教育責任者)など、さまざまな要職に就く。
株式会社エデュケーショナルネットワークは、「中学入試情報セミナー」を9月19日(木)に、AP大阪駅前 梅田1丁目(東京建物梅田ビルB2/APホール)で開催する。講師は、エデュケーショナルネットワークの藤川享氏が務め、2014年度関西地区の入試全体の傾向や入試日程の位置取り変更状況、入試制度変更校の紹介など、私立中学入試の展望を語る。
同セミナーの受講料は、エデュケーショナルネットワークの会員は 1名につき20,000円、一般は1名につき30,000円、2名以降は会員・一般1名10,000円。
申し込み・問い合せは、株式会社エデュケーショナルネットワーク(Tel.06-6136-1113)まで。
NPO法人 学習塾全国連合協議会(塾全協 東日本ブロック)は、「第34回 私立中高進学相談会」を9月8日に新宿NSビルで開催する。首都圏の139校の私立学校が、受験生や保護者からの個別相談に応じる。また、森上展安氏と四谷大塚入試情報センターによる2014年度の私立中入試の注目点の合同ディスカッションや、安田理氏の公立中高一貫校の入試動向の分析などの講演も予定している。
会場では、協力企業・団体による最新入試資料の無料配布のほか、先着2000名に合格グッズがプレゼントされる。予約不要で入退場も自由だ。
問い合わせは、東日本ブロック新学対策局(日本私学通信社内、Tel.04-7163-4601、eメール:n_shigaku@ybb.ne.jp、担当:稲葉)まで。
中学入試セミナー:
・11:30~12:10「2014年 中学入試の注目点」森上教育研究所・四谷大塚入試情報センター合同ディスカッション
・14:00~14:40「2014年 公立一貫校入試の動向」安田教育研究所による分析
高校入試セミナー:
・12:20~13:00「私立・都立入試はこうなる」新教育研究協会
・14:50~15:30「私立・都立入試はこうなる」進学研究会