東京都教育委員会などは10月9日、来年度の都立高校、高専、中高一貫校の募集人員を発表した。高校の全日制は173校が前年度より200人少ない4万2225人を募集し、このうち9050人が推薦入学の対象となる。定時制の募集は55校で4925人、通信制は3校で495人。中高一貫の高校付属中は5校で640人、中等教育学校は5校で800人を募集する。
聖徳大学附属女子中学校・高等学校(千葉県松戸市)は、2015年度の入学者選抜試験から、従来の四教科(国語・算数・社会・理科)のペーパーテストに加えて、「適性検査型入試」を実施する。この適性検査型というのは、おもに公立中高一貫校の入学者選抜で採用されている試験の方法で、知識量をはかる学力検査ではなく、教科横断的に生徒の論理的思考力を問う試験のことだ。
同校が、この適性検査型入試の導入に至ったのは、「建学の精神である『和』を推進していくために、思考力、視野の広さ、表現力を兼ね備えた生徒にたくさん入ってきてほしい」からだと、萩原昇副校長は語る。
2013年度に同校は、社会に貢献できる力(体力/精神力/視野/言語力/好奇心・探究心)やリーダーシップを備えた心優しい日本女性を育てる特別クラス『S選抜クラス(Seitoku Superior Select Class)』を立ち上げた。そのS選抜クラスに適性検査型入試の合格者は在籍することになっている。S選抜クラスは、中学2年生までに中学の主要教科を修了し、中学3年生からは高校課程を履修することになっている。そして、高校2年生で高校の範囲を修了したあと、高校3年生では、受験対策講座(講座選択制)を導入し、国公立大学や難関私立大学を目指すためのプログラムが組まれる。また、外国の文化に触れるために大使館などに赴き、大使と対話する体験学習のプログラムや、修学旅行でオーストラリアに滞在するなど、グローバル人材育成にも力を入れる。
適性検査型入試の内容は、国語分野においては、文章を読む中で隠されたヒントを見つけ、その過程の中で答えを導き出す問題が出題され、算数分野は思考力、分析力を問う問題、社会科と理科は教科横断型の問題が出題される模様だ。また、広く受験生を募るため、同校と幕張メッセの2会場で同時に試験が実施されるほか、東京都の公立中高一貫校の受検者には、公立校の合格発表の翌日まで入学手続きの締め切りが延長される優遇措置も設けられる。
「適性検査型入試の準備をしていない方が受検されても、合格する可能性がある問題が出題されます。入試は午後に行われるため、読解力や作文力がある生徒ならば、午前中にある一般入試を受験した上で、午後も腕試しに受けてみるといった受検も可能です」と萩原副校長は話す。
また、今後は11月30日(日)と来年の1月10日に「適性検査入試問題解き方講座(要予約)」も同校で開催される予定となっている。