首都圏の私立中学入試が2月1日から本格スタートした。今年は1都3県で私立・国立の中学計400校の入試(定員約4万1千人)に、昨年と同程度の約4万5千人が挑戦する。塾関係者らによると、グローバル人材の育成や、思考力や表現力を磨く授業を積極的に採り入れている学校が人気だという。また、大学入試改革をにらみ、早慶に加えMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)など大学の付属校の人気が急上昇しているのが今年の特長だという。
グローバルリーダーを育成する塾「igsZ」の福原正大代表が、新著『世界で通用する人のための勉強入門』を上梓した。主人公の女子高生、梅崎璃乃が「大学なんて行くの止めたら? お金の無駄だよ」と、当たり前に塾長が言い放つ、常識はずれの塾に通いながら、自分が本気で学びたいこと、通いたい大学を見つけていくストーリー。
中高校生はもちろん、「グローバル感覚」を求められながらもどうしたらいいかわからず、困惑している社会人にとっても、「世界に通用するための力」を磨くための最新の情報や知識が詰めこまれ、読みやすい内容となっている。igsZで実践されている授業やフィリピン・カンボジア修学旅行の様子なども、事実に基づいて再現されており、日本のトップ大学をめざすのではなく、世界で活躍する人材を育てるためにはどうしたらいいのか、というこれからの塾に必要なエッセンスが鏤められている。
『世界で通用する人のための勉強入門』
PHP研究所 刊/福原正大 著/定価 1,300円+税
スマホ学習塾「アオイゼミ」を運営する株式会社葵(東京・新宿区、石井貴基代表)と株式会社Prima Pinguino(プリマ・ペンギーノ、東京・中央区、藤岡慎二代表)は共同で、オンラインのスマホ学習塾業界で初となる「推薦・AO入試対策模試」を実施する。
推薦・AO入試の性質上、対面形式での指導が主流で、学習塾・予備校が少ない地方都市では推薦・AO入試対策をおこなう教室が少ないという現状から、両社の持つリソースを生かしたサービスを開始する。模試の受験者には映像授業を受講できる特典がつき、推薦・AO入試についての知識がない高校1・2年生を対象に実施する。
模試は推薦・AO入試で求められる「志望理由書」「活動報告書」「小論文」が対象となる。問題文は郵送または公式サイトからのダウンロードし、受験生は期間中に問題を解いて、自分の答案用紙を返送する。その答案を、独自の採点ノウハウと実績を持つPrima Pinguinoが診断し、大学ごとの合格判定もおこなう。
模試の受験には、アオイゼミへの会員登録(無料)が必要。「推薦・AO入試対策模試」特設ページから申し込む。
森上教育研究所(森上展安代表)は、2016年の首都圏中学入試の結果分析セミナーを2月19日(金)に、アルカディア市ヶ谷(私学会館)で開催することを明らかにした。第1講では、大学入試改革を控え、今春の中学入試がどのように変化したのかを最新の資料に基づいて分析をおこなう。なお、第1講は学習塾を対象とした講義Aと学校を対象にした講義Bが同時進行でおこなわれる。
第2講では、同研究所アソシエイトコンサルタントの後藤健夫氏による、大学入試改革の行方についての分析に加え、SAPIX小学部の広野雅明氏、早稲田アカデミーの入吉弘幸氏をゲストスピーカーに迎えた「大手塾分析」に加えて、栄光ゼミナールの山中亨氏からの資料提供により、入試の実態に迫る。
受講料は、1人につき1万5000円(税込、資料代含む)で、同研究所の「中学受験研究会」の会員は、3人目から1人・5000円となる。参加には、下記の申込書PDFをダウンロードの上、2月12日(金)正午までに同研究所にFAXするとともに、同日中に指定の銀行口座に料金を振り込む必要がある。
首都圏中学入試の結果分析セミナーに関する問い合わせは、電話で03-3264-1271(森上教育研究所)へ。
2016年1月12日、ネットの高校「N高等学校(以下、N高)」をこの4月に開校予定のカドカワ株式会社が、学校法人高宮学園代々木ゼミナール(以下、代ゼミ)とともに、「代ゼミNスクール」を2016年4月に開校することを明らかにした。
授業やレポート提出をネットで行い、高校卒業資格取得を目指すN高。その生徒の中で、大学進学を目指す生徒を対象に、提携通学コースとして代ゼミNスクールは用意される。代ゼミNスクールは、専用校舎が用意され、進学相談ブース、オープン自習スペース、リベラルスクエア(代ゼミNスクール生同士で意見交換や議論が可能なフリートークスペース)などが設置されている。その施設で、映像授業と対面授業を組み合わせて受講でき、また希望すれば、1対1の個別指導も受講できるようになっている。
同スクールの特徴は4つある。1つ目は、専任の担任スタッフである“学びのプロデューサー”が講座の取り方や学習計画など一人ひとりにあったプランを提供し、アダプティブラーニングを可能にする。保護者との面談も実施し、学習の進捗度を共有してくれる。その際には、代ゼミオリジナルの総合学習管理システムのSMS(サテライン・マネジメント・システム)を利用する。2つ目は、代ゼミの2000講座以上の多彩な講座から習熟度に応じた授業や講師をセレクトできる。3つ目は、いつでも入学ができ、通学日数も週1〜6日まで自由に選ぶことが可能。また、代ゼミNスクール内の施設(自習スペース等)は、通学日以外にも無料で利用できる。4つ目は、一人ひとりの学習到達度に合わせて講座をレベルアップすることができる。
これにより、例えば1年で教科書範囲を終了し、その後志望校に特化した受験対策講座に専念することも可能になるという。
費用は、出願料1万円、入学金5万円に加えて、授業料(年間)は27万円(週1日)から。対象は、N高等学校に在籍している方、またはN高等学校への転入希望者。募集人数は、定められていない。また、2月11日には、代ゼミNスクールの説明会・個別相談会が行われる予定だ。
代ゼミNスクールの開校にあたり行われた発表会で、カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏は、「N高は、生徒たちが目的を持って勉強します。受験勉強においても目的を持って、自分に合った授業、自分が目指す大学に対して何を勉強すればいいのか、講師の先生たちに相談しながら、自分で考えていくことができる画期的なしくみだと思っています」と語った。
また、この事業について、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表の高宮敏郎氏は、「ひとつは、これからは優れたITとこれまでの教育機関がハイブリットして教育サービスを提供していくのが大事だと思います。もうひとつは、多様性です。いろいろな学びをしたいという生徒さんをサポートしていくためにも、今回の取り組みは最適な取り合わせだと思います」と語った。
また、今回の代ゼミNスクールの設置に伴い、N高のスクーリング会場の増設がアナウンスされた。代々木ゼミナールの校舎に加え、麻生情報ビジネス専門学校、日本電子専門学校の協力のもと、全国12カ所となる。