財務省が5月24日、日本の政府や企業、個人が海外に持つ資産(対外資産)は、国内企業による海外企業の買収などの直接投資が増えたことなどから、2015年末時点で前年より6兆3480億円増え、948兆7290億円と過去最高を更新したと発表した。一方で、海外に対する債務(対外負債)も前年から30兆4950億円膨らみ、609兆4660億円となった。昨年は日本の株や証券の価格が好調で、外国人が持つ日本関連の資産が増えたのが主な原因だ。
財務省が5月23日発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8235億円の黒字だった。黒字は3カ月連続。原油安で輸入額が抑えられ、単月としての黒字額は、東日本大震災前の2010年3月以来の大きさとなった。ただ熊本地震の影響で、米国向けの自動車輸出はマイナスだった。15年4月の貿易収支は、583億円の赤字だった。輸出は前年同月比10.1%減の5兆8892億円となり、7カ月連続で減少した。熊本地震に加え、世界経済の減速で鉄鋼が32.0%減となったことが響いた。
アルプス電気は小型無人機「ドローン」向けに振動の影響を受けにくい傾きセンサーを開発した。飛行による振動や衝撃が加わってもドローンの体勢を正確に測定でき、安定した飛行につながるという。手動での操縦が容易になるとともに、自動飛行時の経路の正確性が高まる。ロボットや農機、建機などの需要も見込む。2016年中に量産を始める。
欧米や中国に比べ導入が遅れてきた日本の風力発電が、今後数年で急増する。大規模風力発電所に義務付けられた環境影響評価(アセスメント)を終えた案件が次々着工する見通しだからだ。日本風力発電協会(東京・港)によると、2015年末で303万8千キロワットの発電能力は20年代初めにも1000万キロワットと約3倍になる。原子力発電所10基分に相当する。
三菱商事は日本で風力発電に参入する。2019年度の稼働を目指し、秋田県に風力発電所を新設する。総事業費は約200億円で、発電容量は6万6000キロワットと国内最大級、運転中の施設で比べると国内2番目の規模になる。太陽光発電の買い取り価格引き下げを受け、再生可能エネルギーの発電事業の主軸を風力と地熱に移し、安定的な収益を稼げる電力事業の事業基盤を拡充する。
内閣府が5月18日発表した2016年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.4%増、年率換算で1.7%増となった。個人消費や輸出が増加に転じ、2四半期ぶりのプラス成長だった。設備投資は3期ぶりに減少した。実質成長率は市場の事前予測の中央値(年率0.3%増、QUICK調べ)を上回った。生活実感に近い名目成長率は0.5%増、年率換算では2.0%増だった。景気は依然力強さを欠き、もたつきが続いている。
日立製作所は5月18日、2019年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を発表した。期間中の投融資額を計1兆円と、16年3月期までの前中計実績の2倍にする。IoTの研究開発のほか、電力やIT(情報技術)関連などのM&Aを進める。19年3月期の連結売上高は前期実績並みを見込むが、戦略分野の強化で利益率を引き上げる。19年3月期の連結ベースの業績目標は、売上高にあたる売上収益を10兆円(16年3月期実績は10兆343億円)に設定。営業利益率は8%超(同6.3%)、純利益は4000億円超(同1721億円)とした。
富士重工業は12日、2017年4月に社名を「SUBARU(スバル)」に変更すると発表した。創業100周年を迎えるのを機に、ブランド名と社名を統一してグローバルブランドとしての認知拡大をめざす。
6月28日の株主総会で承認を得る。同社は1917年に中島知久平氏が群馬県に設立した中島飛行機が前身。1945年に富士産業に改称し、会社分割や統合を経て1965年に富士重工業に社名変更していた。グローバルで販売する自動車ブランドと共通の社名でブランド力を強化する。
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は5月10日、タックスヘイブン(租税回避地)の利用実態を示した「パナマ文書」に関し、約21万社のペーパーカンパニーの名前や住所など主要な情報をデータベース化して、ウェブサイトに公表した。カンパニー設立に関与した個人や企業の所在地は、中国が約2万5千人・法人に上り、突出して多かった。パナマ文書は租税回避地へのペーパーカンパニー設立を請け負うパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した内部資料。
日立製作所はあらゆるモノがインターネットにつながるIoT事業に2018年度までの3年間で3千億円を投じる。日米欧の研究者など6千人が部門横断的に協力できる仕組みやサービス基盤を整える。日立はセンサーを通じて集めたデータを分析するソフトや人工知能(AI)の研究開発のほか、米国中心にIoT関連ベンチャー企業のM&Aに資金を投じる。電力会社向けに発電設備の故障時期を予測するほか、工場の稼働率に基づいた生産管理ができるサービスも提供する計画だ。
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