巻頭言
昨年の出生数が大幅に減少しそうだ。
16年に初めて100万人を割った出生数が、19年には約86・5万人になった。昨年の1~10月の妊娠届け出数は72万7219件(前年同期比マイナス5・1%)。厚生労働省は20年の人口動態統計の年間推計をやめているため、朝日新聞社が例年の計算式に基づいて推計した結果、前年比マイナス2%の84・8万人程度になるという。新型コロナウィルス禍の影響で、出生数の減少に拍車がかかっている。
そして、この影響は今年一層拡大しそうだという。「出生数が70万人台になる恐れもある」と、政府関係者が危機感を募らせている。
この報に触れ、66年の「丙午」を思い起こした。迷信のため65年の出生数約182万人から約136万人へと急減したのだ。
この丙午の現象は1年限りのことだったが、令和の出生数減は複数年に渡る。コロナ禍で出産、育児に対する健康不安ばかりでなく、経済的影響も大きく、少子化問題を複雑に、そして難しくしている。
現在起きている少子化問題は、学習塾の経営に直ぐには影響しない。しかし、10年後には大きな課題となるであろう。丙午現象同様に。今から対策を検討しなければならないが、そう簡単ではない。
出生数が100万人を割ることは何年も前からわかっていた。しかし、学習塾は何も対策を講じてこなかった。やろうと思い立っても、できなかったのかも知れない。 業界として考えなければならない事柄である。
(如己 一)
目次
8 挑む私学 立命館小学校 世界基準の小学校教育を実践
11 目次・巻頭言
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96 私塾界インサイト(35)
100 未之知也(92)
102 咲かせよ桜(72) 小林哲夫
106 論点2021(2) 増えないコミュニティ・スクール
110 編集後記
112 Book Review
114 塾長のためのガジェット講座