Category: 月刊私塾界本誌

月刊私塾界2017年11月号(通巻439号)

巻頭言

丸和運輸機関、ファイズ、SBS即配サポートという企業をご存知だろうか。
 宅配最大手ヤマト運輸は今春、荷物の取扱量を制限すると同時に、当日配送を縮小すると発表し、荷主との交渉を進めている。
 しかし、ヤマト運輸最大の荷主であるアマゾンは、当日配送を含むスピード配送を一層強化する方向だ。特徴的なのが「プライムナウ」である。配送拠点を増やし、サービス地域を拡大する。その配送を担っている企業が、冒頭に挙げた三社などである。
 各社とも新たなロジックでイノベーションに邁進する。宅配版ウーバーのような企業もある。
 翻って学習塾業界を見る。数多の企業が、規模の大小を問わず、イノベーションに取り組んでいる。そして、成果を挙げる。
 子ども人口(15歳未満人口)は75年から連続で減少している。ピークの60%以下にまで減った。しかし、「学習塾白書」にあるように、市場規模は縮小していない。10年スパンでみれば、拡大している。それは、各塾がイノベーションに取り組み、新たな市場ニーズを開拓しているからだ。
 自動車業界では、二つのイノベーションが進む。電気自動車と自動運転だ。日米欧中の企業が鎬を削る。グーグルなど異業種からも参戦する。
 しかし、その流れに棹差す企業がある。スバルである。自動運転は追求しないと宣言している。企業規模から二兎を追えないと云う。
 さて、読者諸兄はどのような取組をお考えだろうか。

(如己 一)

目次

  • 8 CatchUp01 一般社団法人 実践行動学研究所 県下No.1進学塾がレジリエンス・トレーニングプログラムを導入。その理由とは?
  • 10 CatchUp02 緑風塾  幼児教育と英語教育に力点を置いて
  • 12 CatchUp03 大妻中野高等学校 ライティングの指導で真の英語力を育む
  • 14 CatchUp04 株式会社ガウディア子供が楽しく、保護者が満足し、先生が喜びをもって指導できる教室を目指して
  • 16 挑む私学 1 蒼開中学校・高等学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 42 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 43 【特集】 教育ICT考 2017autumn/winter
  • 52 HOT TOPICS 1教育者としての在り方を見直す「興学社大学」
  • 54 HOT TOPICS 2 次世代型英語教育について考える
  • 56 Special Report 大学入試センターシンポジウム 大学入学者選抜の新展開 新共通テストの課題と個別選抜改革の方向性
  • 60 TOP LEADER Interview 株式会社やる気スイッチグループホールディングス 投資ファンドとの提携による〝第二創業〞でさらる成長を
  • 68 挑む私学 2 鷗友学園女子中学高等学校
  • 70 挑む私学 3 八雲学園中学校高等学校
  • 72 教育サービス業界 企業研究(61) 株式会社桐原書店
  • 75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(286)
  • 76 疾風の如く(100)学友外国語学院こども塾(大阪府)塾長 岡田 真理子さん
  • 78 好機到来(31)キッズアイランド 代表 堺谷 武志さん
  • 80 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(55)
  • 82 白書界隈徘徊話(32) 西村克之
  • 84 自ら動き出すチームにする方法(38) 中谷彰宏
  • 86 陥穽葉書(8)
  • 88 もしも科学の視点が塾であったなら(6)
  • 90 塾の家計簿(6)
  • 92 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(53)
  • 93 芸術見聞録(52)
  • 94 高校生からの子育てハイウェイ(31)
  • 95 塾長の机
  • 96 為田裕行の「教育ICT行」(32)
  • 98 新・授業改革を目指して(99) 石川幸夫
  • 100 林明夫の「歩きながら考える」(147)
  • 102 塾悟性論(8)
  • 104 咲かせよ桜(35) 小林哲夫
  • 108 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(55)
  • 110 論点2017(11) 必要にも拘らず増えないスクールソーシャルワーカー
  • 114 編集後記
  • 116 Book Review
  • 118 塾長のためのガジェット講座
  • 月刊私塾界2017年9月号(通巻437号)

    巻頭言

    夏期講習の生徒募集、そしてその9月継続は如何でしたでしょうか。間もなく年間で最も多くの生徒を抱える時期。同時に勉強の秋を迎える。入試本番に向け、準備怠りないことと拝察する。
     本誌8月号「未之知也」文部科学省初等中等教育局教育課程課長(取材当時)合田哲雄氏へのインタビューを読まれた感想や如何に(後編は今号に掲載)。
     20年度から順次導入される新学習指導要領について、読者諸兄は熟知されていると思われる。それに関する知識、抱いているイメージに比し、課長の発言はどのように映っただろうか。
     筆者には驚きを禁じ得ない内容であった。
     新学習指導要領にあるプログラミング学習やアクティブ・ラーニング等々に関する受止めとの差異である。筆者はこれまで、それら導入について、00年から始まった「総合的な学習の時間」開始時のデジャヴュを見ているように思えていた。お上からお達しはするが、具体的な方法は現場の創意工夫に任せる、と。幸い、現場教師の努力で乗り越えた。その結果は、PISAやTIMSSで示された。
     新学習指導要領を熟すのも現場任せに映っていた。
     しかし、課長発言は全く異なる。用意周到に準備されている。また、現場教師、管理職、地域住民へも、今後丁寧に説明していく、と言う。そうであれば、心配は杞憂に終わる。そう願いたい。
     然るに、新学習指導要領導入に対する準備や如何に。文科省の動向を注視しつつ、ゆめゆめ準備を怠ること勿れ。

    (如己 一)

    目次

  • 8 CatchUp01 株式会社FCEエデュケーション
  • 先生が変わる! 生徒が変わる! 塾が変わる!アクティブラーナーを養成する新プログラム
  • 10 CatchUp02 株式会社興学社
  • AIを搭載した教材Qubenaの有効性に迫る
  • 12 CatchUp03 株式会社アレック
  • 脳が生み出す学習意欲に目を向け、学習効果や意欲、集中力を強化する「セレンブレイン」とは?
  • 14 CatchUp04
  • ジェムスクール地域のために最高の教育環境をつくる
  • 16 挑む私学 目白研心中学校・高等学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 44 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 45 【特集①】株式公開塾の2018年2月・3月期第1四半期決算を読む
  • 54 【特集②】手を打たずして成長はナシ 塾経営の新潮流を捉える
  • 60 Special Report
       探究学習の可能性と国際バカロレア(ⅠB)について語るシンポジウム

  • 64 TOP LEADER Company
       株式会社臨海
       教育とは共育。生徒の成長が、また講師を成長させる。

  • 71 CatchUp05 FLENS株式会社
       小学部の新たな魅力作りにFLENSを活用

  • 76 新世紀幼児教育考
       「AI時代」に必要な幼児教育とは?

  • 80 教育サービス業界 企業研究(59) ウェブリオ株式会社
  • 83 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(284)
  • 84 疾風の如く(98)株式会社 パクスジャポニカ(大阪府)代表取締役 足立 将一さん
  • 86 好機到来(29)個別指導玉川キッズ  代表 山口 さち子さん
  • 88 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(53)
  • 90 白書界隈徘徊話(30) 西村克之
  • 92 自ら動き出すチームにする方法(36) 中谷彰宏
  • 94 陥穽葉書(6)
  • 96 もしも科学の視点が塾であったなら(4)
  • 98 塾の家計簿(4)
  • 100 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(50)
  • 101 芸術見聞録(50)
  • 102 高校生からの子育てハイウェイ(29)
  • 103 塾長の机
  • 104 為田裕行の「教育ICT行」(30)
  • 106 新・授業改革を目指して(98) 石川幸夫
  • 108 林明夫の「歩きながら考える」(145)
  • 110 塾悟性論(6)
  • 112 咲かせよ桜(33) 小林哲夫
  • 116 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(53)
  • 118 論点2017(9) 肩透かしに終わるか、「フリースクール等に関する検討会議」
  • 122 編集後記
  • 124 Book Review
  • 126 塾長のためのガジェット講座
  • 月刊私塾界2017年8月号(通巻436号)

    巻頭言

    経済産業省の若手官僚たちが、5月中旬「産業構造審議会総会」において政策提言「不安な個人、立ちすくむ国家」を発表した。同省ウェブサイトで公表してから約1ヶ月間で、ダウンロード数は120万件を突破する。官庁の政策提言としては異例の広がりを見せる。

    多くの人が関心を寄せるのは、所謂「霞が関文学」を廃し、図表等で示すことにより、インパクトを与えつつ、分かり易く伝えているからだ。更に、内容が一度は失敗した日本の構造改革に関する、新たなパラダイムを示そうとしているからでもある。そして、「従来の延長線上で個別制度を少しずつ手直しするのではなく、今こそ、社会の仕組みを新しい価値観に基づいて抜本的に組み替える」と宣言しているからだ。尤も解決に向けた具体案はない。これが批判の対象になっている。また、省庁を横断する政策提言のため、現実化には高いハードルが待ち構えていることも確かだ。

    似たような期待感を抱かせた「高大接続システム改革会議」の提言は、竜頭蛇尾に帰す可能性がある。5月に公表された「高大接続改革の進捗状況について」を見れば分かる。特に「高校生のための基礎診断(仮称)」にそれが強く読み取れる。

    教育全体に関し、学習塾業界から「抜本的に組み替える」ような提言ができないものであろうか。教育のICT化やアクティブ・ラーニング等で、公教育の一歩も二歩も先を進んでいるからこその提言である。パラダイムシフトはお手の物なのであるから。

    (如己 一)

    目次

  • 14 CatchUp01 CAIシステム株式会社
      スピーキング力を上げるために 外国人講師の確保から教室運営までオールインワンの「SKメソッド」
  • 16 CatchUp02 株式会社学究社
      社外から後継者を選任、分野別のナンバーワン目指す 学究社・河端真一会長
  • 20 CatchUp03 東京家政大学附属女子中学校高等学校
      新校長が語る東京家政大学附属女子中学校高等学校の改革
  • 22 CatchUp04 株式会社みらいじゅ
      放課後等デイサービスにオンライン英会話を導入
  • 24 挑む私学 四日市メリノール学院
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 52 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 53 【特集】企業が永続的に成長するために
       はじめてますか? 継承の準備
  • 62 HOT TOPICS 1
       広がりつつある学習支援事業の効果に迫る
  • 66 HOT TOPICS 2
       地球市民の育成に取り組むオランダの教育に学ぶ
  • 68 TOP LEADER Company
       ナガセグループ
       独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する
  • 78 少し先の日本の教育の未来を考える~現場編~
       心と能力を同時に高めるメソッド
       保育園で何が起こっているのか?
  • 80 Special Report
       私塾界リーダーズフォーラム2017s/s ICT×幼児
  • 88 教育サービス業界 企業研究(58) 株式会社学書
  • 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(283)
  • 92 疾風の如く(97)
      ユニバースクール(神奈川県)
      代表 湯浅 浩章さん
  • 94 好機到来(28)
      株式会社グリーンスター
      代表 川口 力哉さん
  • 96 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(52)
  • 98 白書界隈徘徊話(29) 西村克之
  • 100 自ら動き出すチームにする方法(35) 中谷彰宏
  • 102 陥穽葉書(5)
  • 104 もしも科学の視点が塾であったなら(3)
  • 106 塾の家計簿(3)
  • 108 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(49)
  • 109 芸術見聞録(49)
  • 110 高校生からの子育てハイウェイ(28)
  • 111 塾長の机
  • 112 為田裕行の「教育ICT行」(29)
  • 114 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(14)
  • 116 林明夫の「歩きながら考える」(144)
  • 118 塾悟性論(5)
  • 120 咲かせよ桜(32) 小林哲夫
  • 124 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(52)
  • 126 論点2017(8) 肩透かしに終わるか、「フリースクール等に関する検討会議」
  • 130 編集後記
  • 132 Book Review
  • 134 塾長のためのガジェット講座
  • 月刊私塾界2017年7月号(通巻435号)

    巻頭言

    第3次AIブームと云われて久しい。これは爆発的に普及したインターネットとともに、ビッグデータを使った機械学習が広がり、更にディープラーニングの開発により拍車がかかる。
     しかし、AIと言えばGoogleやIBM、マイクロソフトなどが代表的企業で、日本企業の名は出て来ない。この彼我の差や如何に。答えは、若手が権限や発言権を持っているかどうかに因る。硬くなってしまった頭では、新しい世界を創造、想像できない。
     ノーベル物理学賞に輝く天野 教授は、24歳時の窒化ガリウム結晶創製という研究成果で受賞した。アインシュタインは25歳時の研究で受賞した。アップルやマイクロソフトの創業者が頭角を現すのも20代前半である。
     学習塾業界でも同じような現象が起きている。AIを利用したアダプティブラーニング、探求学習、ICTをフル活用した英語教育、そして授業料無料の学習塾などなど。皆20代から30代半ばの方が立ち上げている。どれも斬新なアイデア満載だ。古い世代では及びもつかないフォーマットである。
     彼ら彼女らに共通することがある。世の中を変えようとする強い意志、利益一辺倒でない、基本的にオープンソースであり独占しない、アライアンスに対してもオープン、覇権を目指さないなどだ。
     AIが普及し、多くの仕事がなくなると云われるが、前記のようなマインドであれば、恐れることは無い。そして社会を変革することを期待する。読者諸兄もチャレンジを。

    (如己 一)

    目次

  • 6 CatchUp01 株式会社学研アイズ
      合格実績にこだわり続けながら、未来を見据えた教育も積極的に導入
  • 8 CatchUp02 株式会社もものはな
      小学生のうちから医学部を目指す子を育てる塾
  • 10 CatchUp03 KEC近畿教育学院
      「〝英語に強い〟KEC教育グループ」の英語教育改革
  • 12 挑む大学 武蔵大学
  • 16 挑む私学 夙川学院中学校・高等学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 44 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 45 【特集①】株式公開企業塾
       2017年2・3月期決算を読む
  • 54 【特集②】アジアは新たな市場となり得るか?
       教育サービスの海外進出
  • 62 HOT TOPICS 1
       塾業界の労働環境向上のために
       「安心塾バイト認証制度」に存在感
  • 64 HOT TOPICS 2
       順位は決めない、選りすぐりの講師が
       洗練された授業を披露する
  • 66 HOT TOPICS 3
       講師たちの熱気がほとばしる
       第12回全国模擬授業大会、栃木で開催
  • 70 続・特別インタビュー
       ピグマリオン学育研究所 所長 伊藤 恭 氏
       浜学園グループの幼児教育を支え続けてきた
       メソッド、ついに全国展開へ
  • 72 教育サービス業界 企業研究(57) 株式会社サン・ロワ
  • 75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(282)
  • 76 疾風の如く(96)創心館(大阪府)共同代表 安延 伸悟さん 白数 大介さん
  • 78 好機到来(27)株式会社パラリア 代表 浅見 貴則さん
  • 80 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(51)
  • 82 白書界隈徘徊話(28) 西村克之
  • 84 自ら動き出すチームにする方法(34) 中谷彰宏
  • 86 陥穽葉書(4)
  • 88 もしも科学の視点が塾であったなら(2)
  • 90 塾の家計簿(2)
  • 92 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(48)
  • 93 芸術見聞録(48)
  • 94 高校生からの子育てハイウェイ(27)
  • 95 塾長の机
  • 96 為田裕行の「教育ICT行」(28)
  • 98 新・授業改革を目指して(97) 石川幸夫
  • 100 林明夫の「歩きながら考える」(143)
  • 102 塾悟性論(4)
  • 104 咲かせよ桜(31) 小林哲夫
  • 108 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(51)
  • 110 論点2017(7) 国立大学教育学部附属校縮小から見えてくるもの
  • 114 編集後記
  • 116 Book Review
  • 118 塾長のためのガジェット講座
  • 月刊私塾界2017年6月号(通巻434号)

    巻頭言

    今年度の夏期行事には、何か新機軸がおありだろうか。昨年同様では世の中から取り残される。ましてや例年通りでは、変化が早い現代社会で何周も遅れをとってしまう。退歩と同じである。
     アクティブ・ラーニング、アダプティヴラーニング、プログラミング教育、STEM、STEAM、探究学習、英語4技能等々。ICTを駆使したもの、伝統的な紙媒体を使用した教材やシステム。これまた多岐に渡る。しかも毎年ヴァージョンアップされる。
     何をどう選び導入するか、大いに悩む。研究が必要である。
     少々時期が遅いかも知れぬが、今年の夏期行事で何かを試してみては如何だろうか。通年授業導入には二の足を踏むとしても、単発の講座で実験してみてはどうか。
     実験導入すれば、実体験として評価できる。1日3コマ、4日間の講座を組めば、約3ヶ月分の授業時間に相当し、効果測定も可能だ。繰り返しが必要なものは、長期で組めば良い。実験方法は他にもある。工夫してみては如何か。
     導入効果に懐疑的であれば、授業料無料で、一部の生徒に対してだけ実施すれば良い。
     数百年続く老舗も、日々商品開発に励む。常に改革に勤しむ。そうでなければ時代の変化に置いていかれる。
    変えてはならないものは勿論ある。しかし、変えなければならないものも沢山ある。
    学習塾も同じだ。時には、教育理念や経営理念でさえ見直さなければならない場合がある。奮闘を期待する。

    (如己 一)

    目次

  • 6 CatchUp01 T-KIDS株式会社
      自由に選べる、新しい学びのスタイルを
  • 8 CatchUp02 和光高等学校
      ICTを活用したアクティブ・ラーニング
  • 10 CatchUp03 翼学院グループ
      学習指導と福祉のワンストップサービスで支える
  • 12 挑む大学 聖徳大学・聖徳大学短期大学部
  • 16 挑む私学 聖徳大学附属女子中学校・高等学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 44 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 45 【特集】教育ICT 考 2017spring/summer
      アダプティブラーニングの実力はいかに
  • 58 CatchUp04 株式会社アスデザイン
      新たなアニメーションソリューションとスマートスタディの活用
  • 60 CatchUp05 文教学院
      世田谷から世界の子供たちを支える
  • 62 協心塾力 株式会社理究
      教育ICTサービスを最大限に活用
  • 64 TOP LEADER Company 株式会社成学社
       “育”の分野で社会貢献を果たす、それが最大のミッション。
  • 72 特別インタビュー
       ピグマリオン学育研究所 所長 伊藤 恭 氏
  •    関西の幼児教育の雄、全国の学習塾との共同事業を強化

  • 76 Special Report 探究学習を〝探究〟する教育サミットが開催
  • 78 挑む私学 鈴鹿中等教育学校
  • 80 教育サービス業界 企業研究(56) グローバル・コミュニケーション&テスティング
  • 83 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(281)
  • 84 疾風の如く(95)Study Room(京都府)原田 翔一さん
  • 86 好機到来(26)株式会社CLフォーラム.代表 遠藤 悠記さん
  • 88 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(50)
  • 90 白書界隈徘徊話(27) 西村克之
  • 92 自ら動き出すチームにする方法(33) 中谷彰宏
  • 94 陥穽葉書(3)
  • 96【新連載】もしも科学の視点が塾であったなら
  • 98【新連載】塾の家計簿
  • 100 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(47)
  • 101 芸術見聞録(47)
  • 102 高校生からの子育てハイウェイ(26)
  • 103 クロスワードパズル「塾長の机」
  • 104 為田裕行の「教育ICT行」(27)
  • 106 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(13)
  • 108 林明夫の「歩きながら考える」(142)
  • 110 塾悟性論(3)
  • 112 咲かせよ桜(30) 小林哲夫
  • 116 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(50)
  • 118 論点2017(6) インターナショナルスクールとは?
       そして、設立しよう!プリスクール型インターナショナルスクール
  • 122 編集後記
  • 124 Book Review
  • 126 塾長のためのガジェット講座
  • 月刊私塾界2017年4月号(通巻432号)

    巻頭言

    残念な出来事が起きた。首都圏にある大手学習塾で、時間外の残業や深夜の割り増し賃金が不払いだったため、労働基準監督署から是正勧告が出された。
     15年12月、厚生労働省は文部科学省と連携して、学生アルバイトの多い業界団体に対し、労働基準関係法令の遵守等を要請した。これを受け、公益社団法人全国学習塾協会は「安心塾バイト認証制度」を制定し、今年1月から運用を開始した。その矢先のできごとであり、実に残念である。
     時代は変わった。
     昔、「24時間戦えますか」なるCMが流行った。しかし、電通過労死問題後の現在、放映すれば炎上必至だ。
     講師募集に苦労している学習塾が多いと聞く。労働環境の改善を業界全体で取り組まなければ、全体で地盤沈下してしまう。どの学習塾も先生が最も大切だ、と言っている。ならば、それを実態として示さなければならない。良い先生が集まらなくなると、真綿で首を絞められるように、体力を失っていく。早目の対策が必要だ。
    すかいらーくは、深夜営業を縮小する。売上30億円減が分かっていても、である。更にスタッフの作業熟練度を向上させるために、グランドメニュー改定回数を減らす。常連客離れを覚悟の上だ。
    居酒屋チェーン塚田農場は、バイトの大学生に対し、就職支援をし、離職率を下げている。
    他業種は、人材確保、獲得にそこまで重きを置く。未来の人財(・)を育成する学習塾業界においてをや。

    (如己 一)

    目次

  • 6 CatchUp01 キタン塾
      優れた行動力で改革を断行し、軌道修正に成功
  • 8 CatchUp02 東進ナユタス
      日本初の音楽スクールが名古屋に誕生
  • 10 シリーズ 格差社会と向き合う③
      一橋大学 山田哲也教授、新宿区子ども家庭課、
      ステップアップ塾の取り組みを追う
  • 16 挑む私学 沖縄尚学高等学校・同附属中学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 42 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 43 【特集】変わる!人材募集と採用
  • 58 HOT TOPICS01 子供を賢くする、自立型個別指導塾
  • 60 HOT TOPICS02 英語入試・思考力入試が急増した 2017年の首都圏中学入試
  • 64 TOP LEADER Company
       株式会社埼英スクール
       挑戦する姿勢を育てる。その理念で、社員の挑戦も応援。
  • 70 協心塾力 自塾のコンテンツをさらに魅力的に
  • 74 少し先の日本の教育の未来を考える
       見えない未来を生きる子供たちのためにピグマリオン学育(前編)
  • 76 教育サービス業界 企業研究(54) 教育開発出版株式会社
  • 79 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(279)
  • 80 疾風の如く(93) 個別指導HIGH-STANDARD(千葉県)代表 佐藤 良平さん
  • 82 好機到来(24) ラーンネットグローバルスクール 代表 炭谷俊樹さん
  • 84 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(48)
  • 86 白書界隈徘徊話(25) 西村克之
  • 88 自ら動き出すチームにする方法(31) 中谷彰宏
  • 90 【新連載】陥穽葉書(1)
  • 92 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(45)
  • 93 芸術見聞録(45)
  • 94 高校生からの子育てハイウェイ(24)
  • 95 クロスワードパズル「塾長の机」
  • 96 為田裕行の「教育ICT行」(25)
  • 98 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(12)
  • 100 林明夫の「歩きながら考える」(140)
  • 102 【新連載】塾悟性論(1)
  • 104 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(48)
  • 106 論点2017(4) STEM教育、STEAM教育
  • 110 編集後記
  • 112 Book Review
  • 114 塾長のためのガジェット講座
  • 月刊私塾界2017年3月号(通巻431号)

    巻頭言

    新年度授業料はどうされただろうか。講師募集費や人件費の上昇から、値上げせざるを得なかった――値上げしたかった――のではないか、と推察する。その結果や効果は如何に。
    近年多くの学習塾が授業料を値上げしていることは、「学習塾白書2016」からも分かる。
    しかし、単純な値上げが許される甘いご時世ではない。読者諸兄の学習塾では、どのような対策を採るのであろうか。
     一つ参考になる例がある。モスバーガーが実施した値上げ対策だ。
    15年5月、食材の原料費や人件費の高騰により、定番商品を約10%値上げした。ライバルのマクドナルドに比し、元々価格が高いにもかかわらずに、である。
     前年後半マクドナルドが、鶏肉の期限切れ問題や異物混入騒動から、客足がモスバーガーに向きつつある追い風は吹いていた。しかし、値上げはそれを止めかねない。
    そのような環境下、採った対策は基本を徹底することであった。しかも非常にシンプル。
    その内容は、調理の仕方からハンバーガーを上手に紙に包む方法に至るまでの手順を、全てのスタッフで確認し、徹底するための「製造勉強会」を全国で展開したのだ。これまでのマニュアルには無い部分にまで及ぶ。
     そして、この勉強会は意外な効果を齎す。スタッフが、自らが提供する商品の良さに改めて気付き、自信を持って客に販売できるようになった、というのだ。
    やはり何事も「凡事徹底」である。

    (如己 一)

    目次

  • 6 CatchUp01 あすなろ学院(株式会社学研スタディエ)
  • 20年、30年先を見据えた大改革

  • 8 シリーズ 格差社会と向き合う②
  • 松戸市子ども支援課、エデュケーショナルネットワーク、
    さいたまユースサポートネットの取り組みを追う

  • 14 HOT TOPICS どうしてる? マイナンバーの収集と管理
  • 16 挑む私学 育英西中学校・高等学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 42 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 44【特集①】公開企業塾2017年度 2月・3月期第3四半期決算を読む
  • 52【特集②】塾の働き方改革
  • 64 TOP LEADER Company 株式会社スプリックス
  • 個別指導塾から自立学習塾へ、顧客ニーズを先取り。

  • 72 教育サービス業界 企業研究(53) 株式会社文理
  • 75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(278)
  • 76 疾風の如く(92)キッズスター★イングリッシュ(東京都)
  • 望月 宏典さん

  • 78 好機到来(23) ブルーフォグ・ソリューション株式会社 代表 吉田光広さん
  • 80 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(47)
  • 82 白書界隈徘徊話(24) 西村克之
  • 84 自ら動き出すチームにする方法(30) 中谷彰宏
  • 86 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(44)
  • 87 芸術見聞録(44)
  • 88 高校生からの子育てハイウェイ(23)
  • 89 クロスワードパズル「塾長の机」
  • 90 為田裕行の「教育ICT行」(24)
  • 92 新・授業改革を目指して(95) 石川幸夫
  • 94 林明夫の「歩きながら考える」(139)
  • 96 咲かせよ桜(28) 小林哲夫
  • 100 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(47)
  • 102 論点2017(3) PISA2015とTIMSS2015の結果
  • 106 編集後記
  • 108 Book Review
  • 110 塾長のためのガジェット講座
  • 月刊私塾界2017年2月号(通巻430号)

    巻頭言

    赤ちゃん用にIoT(Internet of Things)が組み込まれた多くの製品が販売されている。
    ウェブカメラでは、単純に赤ちゃんを見守り、映像をスマホに転送するだけでなく、呼吸数、心拍数、体温まで分かる。また、衣服に装着するだけで、呼吸や体温、体勢、活動レベル、睡眠中かどうかなどをスマホアプリから確認できるウェアラブルデバイスもある。更に赤ちゃんが快適に眠れるよう、複数の揺らし方をする「スマートゆりかご」がある。このゆりかごは揺らすだけでなく、泣き方により聞かせる音を選択する。音は眠りに誘う雨の音にはじまり、母体内で聞いていた音まで奏でる。
    これら製品は、親に対し、不安を和らげ、手間を減らし、ストレスを緩和する。
    一方で、これら事柄は、育児過程で親が赤ちゃんとのスキンシップや声掛けにより、感じ、判断するもの、という考え方もある。それこそが親の愛情だ、と。
    昨年教育界では、AI(Artificial Intelligence)を駆使し、ほぼ自動化されたアクティブ・ラーニングやアダプティブ・ラーニングがもてはやされた。また、大学入試改革で結局は採用が見送られたが、CBT(Computer Based Testing)やIRT(Item Response Theory)なる技術開発がある。これら最先端技術を利用しない手はない。
    しかし、子供のやる気を起こすことができるのは、やはり人間だけだ、という声も大きい。
    ハイ・テクか、ロー・テクか。それとも……。

    (如己 一)

    目次

    • 8 CatchUp01 株式会社喜望ゼミナール
      大切にしてきたのは、子供たちに考えさせること
    • 10 CatchUp02 株式会社拓人こども未来
      スポーツ科学に基づいたプログラムで運動能力をアップ
    • 12 CatchUp03 株式会社アップ
      地域とともに成長するアクティブ・ラーニングの発信基地
    • 14 Special Interview
      次期学習指導要領改訂の概要と、松野博一大臣の教育に対する想い
    • 18 シリーズ 格差社会と向き合う①
      教育で貧困層の子供をいかに救うか
    • 20 HOT TOPICS01
      業界全体の地位向上を関東から
      公益社団法人全国学塾協会関東支部研修会で
    • 22 HOT TOPICS02
      京都教育界の老舗、成基が主催。
      私立小学校入試対策テストと体験授業
    • 24 挑む私学 聖光学院中学校高等学校
    • 27 目次・巻頭言
    • 28 NEWS ARCHIVES
    • 50 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
    • 51【特集】続・学習塾白書を読む
    • 60 TOP LEADER Company
      ベスト学院株式会社/株式会社Global Assist
    • 70 Special Report 私塾界PREMIUM SEMINAR 2016
    • 80 教育サービス業界 企業研究(52) 株式会社ドコモgacco
    • 83 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(277)
    • 84 疾風の如く(91)大学受験専門塾 フォレスト(神奈川県)
      代表 松尾 光徳さん
    • 86 好機到来(22) 株式会社ワイズアカデミー 代表 大森 善郎さん
    • 88 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(46)
    • 90 白書界隈徘徊話(23) 西村克之
    • 92 自ら動き出すチームにする方法(29) 中谷彰宏
    • 94 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(43)
    • 95 芸術見聞録(43)
    • 96 高校生からの子育てハイウェイ(22)
    • 97 クロスワードパズル「塾長の机」
    • 98 為田裕行の「教育ICT行」(23)
    • 100 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(11)
    • 102 林明夫の「歩きながら考える」(138)
    • 104 咲かせよ桜(27) 小林哲夫
    • 108 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(46)
    • 110 論点2017(2) 大山鳴動鼠一匹、教育委員会制度改革
    • 114 編集後記
    • 116 Book Review
    • 118 塾長のためのガジェット講座

    2017年 新春 教材・教具展示会のご案内

    2017年新春に、全国各地で開催される教材・教具展示会をご案内いたします。教科書改訂に合わせた教材出版各社による最新の教材をお手に取ってご覧ください。また、急速に進化を遂げているICTを活用したコンテンツも多数展示されています。ぜひ、お近くの教材展に足を運びいただいて、最新の動向をキャッチしてください。

    ※本誌1月号とあわせてお届けいたしましたご案内に一部誤植がありましたので、訂正版のPDFを以下にご用意いたしましたので、ダウンロードしてお使いください。

    2017年新春 教材・教具展示会のご案内をダウンロード

    利他の心で志を育め 目指すは一大教育コミュニティ|疾風の如く|2016年12月号

    寺に生まれたことが厭だった。
    そして教員一家を飛び出し、
    自分だけがビジネス界を志した。
    しかし、運命は皮肉なものだ。
    ビジネスを学べば学ぶほど、
    生き方を知れば知るほど、
    ここへ還ってくる自分がいた。

    愛知県
    個別志導のサクセス

    塾長 近藤 成人さん

    ひとことで言い表せない異色の塾

    いわゆる「普通の塾」とは何かが違う。FCからスタートしたものの、昨年よりブランドを一新してオリジナル化。学習指導は自立型を中心とし、時間割が存在しない。「学び放題」を標榜し、何度通っても定額料金。宿題も出さない。すべてをここで完結させるシステムで、他塾に通いながら、不明点を質問するためにここへ通塾する生徒もいるほどだ。
     さらに、幼児教育~大学受験、英会話・速読・習字・そろばんまでカバーし、今後は体育コンテンツまで視野に入れているものの、一般的に塾の生命線ともいえる中学生が最も少ないという。それでも生徒数は4校舎でのべ650名を数え、地域にその存在感を放っている。
     なぜ、こんな塾が生まれたのか。塾長の近藤成人(51)本人も「どんな塾か、なぜそうするのかと聞かれても、ひとことふたことでは説明しにくいです。まあ確かに、かなり異色の塾だとは思います」と笑う。しかし、その根底にはやはり独自の想いと、すべてをここに帰結させる大きな夢があった。

    寺、教員一家…… その出自にことごとく反発

    サクセスイングリッシュクラブ』では、ネイティブとのダブルティーチング制を敷く

    近藤は、寺の息子として生まれ育った。これといった理由があったわけではないが、生理的にそれが厭で仕方なく、大学で東京に出た。
     さらに、両親・祖父母、そして妹までもが教育学部を出て公立校の教員を務めるという教育一家だったが、近藤だけが違っていた。教職課程は修めたもののビジネスの世界に興味を持ち、大学院卒業後は業界誌の記者に。
     記者とはいっても、営業から集金、取材と執筆、その後の校正まですべて自分でこなすという激務の日々。今では笑い話だが、生まれて初めて乗った飛行機がヨーロッパの非英語圏への単独海外出張だったという逸話まである。言葉もマナーも分からない、電車の乗り方さえも知らない海外で、しかもビジネス目的というハードな環境だったが、持ち前の行動力でそれを乗り切った。当時出会った現地の人たちは、塾経営者となった今でも家族ぐるみの付き合いだ。
     そんな経験が近藤の世界観を広げたのかもしれない。やがて「自分で時間をコントロールできる働き方・生き方をしたい」と、独立開業への志を抱くようになった。しかし「これ!」といったものがない。当初は自己啓発やネットワークビジネスの勉強もしたが、得るものは少なく、代わりに友人を失うだけだった。
     当時を振り返り、自嘲ぎみに近藤は言う。「自分のことしか考えてなかったんですよ」。そんな近藤が出逢ったのが、妻が運営していた塾と、私教育の世界である。奇しくも、近藤もまた家族と同じ世界へ還ってくることとなったのだ。

    ビジネスを学べば学ぶほど、原点に還っていく

    恒例の『そろばん選手権』。教科学習以外のコンテンツが豊富なのもサクセスの特徴だ

    もともとビジネス志向の強かった近藤、塾経営に対してもそうだったが、次第に「教育」そのものにも熱い想いを抱くようになる。夢を語り、それを実現に導くタフな日本人を育てたい―― 自塾に個別「志」導と名付けたのもそんな理念からだ。
     そう思えるようになったのは、ドラッカーやアドラー心理学を学んだことが影響している。彼らのように社会で成功し、広く認められている概念・思想の根底には、共通して仏教的な利他の精神が息づいていることに気づいたのだ。ビジネスでの自己実現を目指せば目指すほど、他者への貢献を大切に。運命の糸というと大げさだろうか、あれほど避けていた「寺」という存在や思想に紐づけられていったのである。
     幼児から高校生まで幅広く受け容れているのは、その貢献意識から自塾をひとつの教育コミュニティと捉えているからだ。今後はシニアまでをもこの輪に引き込み、彼らの生きる知恵や哲学を還元したいと語る近藤。「この縁を連綿とつないで、20年後、30年後には、子供たちが教える側に回っているサイクルを完成させたい。それまでは死ねない」と笑った。個別「志」導の志は高い。(敬称略)

    近藤 成人 SHIGETO KONDOH

    塾長 近藤 成人さん

    1965年生まれ、愛知県出身。石材業界の専門誌記者を経て、塾の世界へ。父は住職で、家族全員が教員という家庭に育つ。当初はそれを避けていたが、持ち前の強い自己実現志向とビジネスマインドを追求すればするほど、その出自という原点に還っていった。自塾を単なる学習塾の枠でとらえず、幼児からシニアまで、すべてをつなぐ学習コミュニティにするのが夢。
    WEBサイト http://www.success-okazaki.jp/