この9月、記録的な豪雨によって、鬼怒川が決壊し、付近の地域は甚大な被害を蒙った。とくに常総市は、甚大な被害が受けた地域のひとつである。
11月15日、その常総市で、NPO法人茨統教育研究会主催の「高校受験生支援テスト」が、茨城県立水海道第一高等学校で行われた。これは、市内の中学校に通う中学生3年生の希望者を対象に、茨城全県模試を無料で受験できるように企画されたもの。約230名が受験した。
茨城全県模試は、昨年の11月に第1回が行われた模試であり、茨城統一テスト協議会と株式会社新教研がタイアップして作られた。参加者は1万人以上にものぼり、茨城県の高校生たちの進学の指標となっている。
そして今回の支援テストは、この10月に同研究会が被災者支援のために企画。教育委員会に打診し、常総市内の5つの中学校の各校長もこの企画に賛同を受け、官民が連携して開催することになった。
主催者である茨統教育研究会は、茨城統一テスト協議会が母体となったNPO法人。茨城統一テスト協議会の加盟塾が主に運営委員を務めている。
その研究会は、茨城の教育界を支え、非営利団体だからこそできる活動をおこなっている。例えば、部活動など課外活動の在り方や、公教育の立場では実行することは難しいが、民間教育の立場だからこそできる教育を各方面に提言するなど活躍している。
また、進学・教材フェアの開催や徳育のためのセミナーなど、子供たち向けのイベントも運営。さらには、個人情報の取り扱い方など、私塾経営者を対象とした各セミナーも企画・運営している。その活動は多岐に渡り、子供たちの未来を考え、一歩先を見据えた活動によって、塾と学校の橋渡しを担っている。
そして、今回の支援テストもその一環であり、存在感を大いに発揮した。災害の傷跡は依然残っており、塾に通っていた子供たちの中には、通えなくなっている子もいると聞いた。被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げるとともに、災害によって、子供たちの教育の機会が奪われることがないことを切に願う。