三省堂(東京)が小中学校の校長ら11人を集めた会議で検定中の教科書を見せ、謝礼を渡していた問題で、11人が所属する教育委員会は10月30日、不適切な行為だったとして、処分の検討などを始めた。当時11人のうち長野、兵庫、大阪、奈良、京都、福岡、大分の7人が中学校長で埼玉が中学教頭、岐阜が小学校長、山梨が小学教頭、青森が市教委指導主事だった。同社が昨年11月に会議について文部科学省に報告した際、北口克彦社長の判断で、謝礼支払いの事実を伏せていたことも分かった。
今回の採択時に埼玉、長野、岐阜、大分の4人は各県内の市町村で採択に関わる立場になり、京都の1人は府内の市町村に指導、助言をする審議会の委員となった。同社の教科書を推すような発言はなかったとされる。