幼児教育の第一人者として40年のキャリアを持ち、『月刊私塾界』でも隔月でコラム連載をしている石川幸夫氏と、人材育成に16年携わってきた蔵元二郎氏は、2015年4月1日に一般社団法人 子育てマイスター協会(東京・千代田)を設立し、代表理事に就任。10月20日には、設立を記念したシンポジウムを東京で開催した。
冒頭、2人の代表理事が挨拶し、協会を設立するに至った経緯を紹介。石川氏はこれまで幼児教育にわってきて、子供自身よりもお母さんをきちんと教育してあげることが大切ではないかと感じたこと、蔵元氏はキャリア形成支援を通じて幼少期から夢を持たせることが必要だと感じたことを、協会の主な設立理由として語った。
続いて主夫芸人のツインクルをモデレーターに迎え、石川氏と、一般社団法人アルバ・エデュ 代表理事の竹内明日香氏、株式会社アントレキッズ 代表取締役の西田祥氏の3名によるトークセッションがおこなわれた。
セッションのメインテーマである「夢を描くこと」について、石川氏は「子供に夢を語ってもらいたくて接してきたが、はじめは中々話してくれない。しつこく聞き、かつ私の夢を語るとぼそぼそと話し出す。子供の活動の場はいろいろあるのに、夢を語るような場はないのかもしれない。協会を通じてそういう場を作りたい」と述べた。
竹内氏は、「家族で鹿児島までドライブするなど、子供には不可能がないことをみせる努力をしている」と自身の経験談を交えて夢の重要性を語った。西田氏は「小さい自信をどれだけ与えてあげられるか。夢を描くためには成功体験を積ませることが大切」だと訴えた。
質疑応答では「どこまでなら子供を甘やかしていいか?」という疑問が寄せられ、石川氏は難しい問題だとしながらも、「どう育てるかを夫婦で話し合うことが重要であり、甘やかしは子供のためにならないため踏みとどまるほうがよい」と答えた。
最後に「夢を描くこと」の総括として、西田氏は子供が夢をみられるかどうかは親に大きく影響される。仕事で疲れて帰って来る姿や、「旦那の稼ぎが少ない」といったグチは子供の夢をなくすため、そうしたことをしないことが、夢をみさせるために簡単にできることだとした。竹内氏は、あれもこれもさせるのではなく、その子の適性を見極めてあげることが夢を追いかけるための手助けになると語り、石川氏は大人が自分の夢を語って手本を示すことも大切だとして、今回のシンポジウムを締めくくった。