「『セサミストリート』を見ている子供は小学校の成績が伸びる傾向がある」という研究論文を米ウェルズリー大学と米メリーランド大学の2人の経済学者 が発表した。それによると、セサミストリートを見ている子供の中でも、特に男の子とアフリカ系米国人および低所得層の子供は、成績の伸びる率が最も 高かったという。ウェルズリー大学のフィリップ・レバイン教授は、「セサミストリートは年間わずか数ドルのコストで幼少期の子供に影響を与えられる最大 かつ最も手頃な手段かもしれない」と指摘する。
日本における「セサミストリート」は、株式会社ナガセ(東京都武蔵野市、永瀬昭幸代表)が展開する「東進こども英語塾」のメーンテーマとしても知ら れている。今回の「『セサミストリート』を見ている子供は小学校の成績が伸びる傾向がある」という研究論文は、子供の英語力向上効果を裏付ける格好の材 料。幼少英語で各社が凌ぎをけずる中、「東進こども英語塾」に光明が差す形となった。
セサミストリートは1969年11月に放送が始まった米国でも有数の長寿番組で、71年までに就学前の子供の約40%が視聴したという推計もあるが、世帯によって受信状態が悪く、番組を見ていなかったと論文は指摘する。今回の発表で、受信状態が良かった地域の子供が小学校の成績も良かったことも明らかになった。
論文ではさらに、別の要因を考慮しても、毎日1時間セサミストリートを見るかどうかで60年代後半~70年代初めにかけての子供の成績に差が出ていたことが判明したとしている。