学校法人駒込学園(東京・文京区)は2月26日、同学園が創立90周年を迎えることを記念して「慈覚大師(じかくだいし)御影供天台声明公演(みえくてんだいしょうみょうこうえん)」を開催した。同学園は、前身の天台宗中学から、宗外の生徒も迎え入れ普通課程の教育をおこなう駒込中学校として、大正14(1925)年12月12日に文部省から認可を受け、翌年4月に開校した。
慈覚大師円仁(えんにん)は、比叡山の天台宗を開祖した伝教大師最澄(でんきょうだいしさいちょう)の意志を継承して数々の業績を残したことから、伝教大師とともに日本ではじめての大師号を朝廷から贈られた。今年は円仁の遷化から1150年目の遠忌にあたることから、大導師に同学園監事の天台宗知行院名誉住職の坂本観晃大僧正を迎え、声明(儀礼に用いられる仏典に節をつけた仏教音楽のひとつ )と雅楽を厳粛かつきらびやかに演奏した。
平安中期から現代に伝わる最高傑作とされる舞曲「納曽利(納蘇利=なそり)」も演じられ、今回のように30人あまりの出演者を迎えた大規模な声明公演は、国立劇場でもあまり見ることができないといい、同学園の生徒や同窓生らも参加して、日本文化の伝統や歴史を伝える貴重な催しとなった。