北九州市教育委員会は新年度、市内の小学3~6年と中学3年の希望者を対象に、校内で放課後、国語と算数、数学を教える学習塾事業を始める。市内の小中学校 全192校のうち、まず約40校で実施する。学習塾は放課後の空き教室を活用。講師は教員OBや大学生から募り、教員免許の有無は問わない。小学校が6 月、中学校は7月からそれぞれ週2回、約1時間ずつ、文章の読解力や漢字、九九や掛け算、分数などの基礎を無料で教える。総事業費は約7千万円。この北九州市の学習塾事業について私塾界は、市内で教室を運営する大手塾各社に対応の如何を尋ねた。
北九州市でも教室を展開している全教研の中垣一明代表は「結論から言うと全教研では可能です。ただし、市内40校の場所によるのとすべての学校を任 せるというのが、(行政側の)条件になる可能性が高いと思われます。いづれにしろこのようなオファーは増えてくるとと思っています」と取材に応えてくれ た。
九州各地に教室を展開している英進館の上尾宏教務部長は「英進館はこれまでにも、福岡県内、佐賀県内で行政機関の求めに応じサービスを提供してきました。今回の場合も求められれば、出来うるかぎり協力は惜しみません」と応えてくれた。
公教育と私教育の連携、定まったカタチには未だ至ってはいないが、今後も全国各地で行われることと思われる。ただ今後塾への委託が始まるようなら、一社が独占して受託するのではなく、医療でおこなわれている休日診療制度のように、登録した塾の講師が持ち回りで授業を請け負えるような方法を検討していくのが業界にとっては望ましいかもしれない。