ニッスイと新日本科学、ニホンウナギ人工種苗の大量生産で共同研究

 ニッスイは4月7日、新日本科学と共同で、ニホンウナギの人工ふ化した稚魚「人工種苗」の大量生産技術に関する研究を進めると発表した。すでに2024年10月から共同研究を開始しており、2027年度をめどに事業提携の可否を判断する。

 ニホンウナギは国内流通の大半が、稚魚の「シラスウナギ」を天然から採捕し、養殖する形で供給されている。水産庁によると、1980年代以降、シラスウナギの採捕量は低水準で推移し、減少傾向が続いている。こうした中、人工種苗による安定供給の確立は喫緊の課題とされる。
 新日本科学は2014年から人工種苗の研究を開始し、2017年に生産に成功。2019年には鹿児島県沖永良部島に研究施設を開設し、基礎研究を進めてきた。一方、ニッスイはこれまでブリの人工種苗大量生産で培った技術を持ち、今回の共同研究でそのノウハウを応用する。
 両社は今後、親魚からふ化させたウナギの稚魚を安定的に育成・量産するための技術開発を進め、天然資源への依存からの脱却を目指す。

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