日研トータルソーシング株式会社(東京・大田区)は、1月22日に同社の半導体人材研修施設「熊本テクノセンター」にて熊本県立八代工業高等学校の生徒向けに半導体研修を実施し、1月28日に熊本県立玉名工業高等学校にて同校の生徒へ向けた半導体エンジニア派遣実習を実施した。
TSMCの熊本進出を契機に、新たな半導体企業の進出や既存企業による工場の増設が相次いでいる。さらに、熊本県八代市では約35億円を投じ、25ヘクタールの工業団地を整備する計画を表明し、2028年度までの完成を目指しています。これにより、半導体需要のさらなる拡大が見込まれる一方で、人材確保が喫緊の課題となっている。その解決に向け、大学・高等学校・民間企業が連携した人材育成の取り組みも一層加速している。
同社は、より多くの人に、より質の高い教育・研修を実施するため、2023年3月に熊本テクノセンターを「半導体教育」に特化した研修施設として拡張移転し、半導体製造装置で慢性的に発生する故障に対する調査から処置、改善に対応できる実践力を備えた人材の育成に取り組んできた。
また、熊本テクノセンターでは、当社で独自開発し、2024年2月に特許を取得した半導体搬送演習装置を、いち早く研修に取り入れている。
2023年11月~2024年1月には、熊本県教育委員会の協力のもと、熊本県立玉名工業高等学校の生徒に向け熊本テクノセンターへの企業訪問、同校へのエンジニア派遣実習を実施。2月には、当社初の熊本県内高等学校の教員向けに半導体研修を実施し、9月には、全国初の「半導体情報科」が2025年度から開設される熊本県立水俣高等学校の生徒に向けた半導体研修を実施するなど、産学連携の取り組みを強化してきた。
■熊本県立八代工業高等学校生徒向けの研修の様子(1月22日)
熊本県立八代工業高等学校電気科2年生の生徒52名に半導体実技研修を実施。熊本テクノセンターの遠山センター長より、半導体業界の役割・動向などについて説明を行った。
また、半導体製造業務の基礎となる、半導体製造装置のメンテナンス業務の実習を実施。2グループに分かれ、①半導体製造装置メンテンナス実習、②CdSセンサーを使ったLED自動点灯回路作成を、当社で実際に実施している研修内容をもとに、現場で使用される機器を用いて実技研修として行った。
■熊本県立玉名工業高等学校生徒向けのエンジニア派遣実習の様子(1月28日)
熊本県立玉名工業高等学校機械科1年生の生徒74名に半導体のエンジニア派遣実習を実施。熊本テクノセンターの遠山センター長より、機械のメンテナンスについての説明や空圧回路実習、LED点灯回路の作成、などの実際に当社で使用している器具を使用した実習を行った。