スタディプラスのStudyplusトレンド研究所が10月22日〜11月4日にかけて実施した調査で、中高生のデジタル教材やSNSの活用実態が明らかになった。この調査は全国の学習管理アプリ「Studyplus」利用者2294名を対象としたもので、学習時のスマホ活用や塾通いの状況に焦点を当てている。
中高生全体の約6割が塾に通っており、特に中学3年生では76・0%と高い通塾率を示した。高校1年生では通塾率が37・5%に減少するものの、高校3年生になると6割を超えるなど、大学受験に向けて通塾率が再び上昇する傾向が見られた。
塾の形態では、中学生は「集団指導塾」、高校生は「個別指導塾」が主流となっている。一方、高校生の35・2%がデジタル教材を活用した自立指導塾に通っており、これは従来の集団指導塾(31・7%)を上回る結果となった。中学生のデジタル教材利用率は6・3%であり、高校生でその割合が大きく増加することがわかった。
学習時にSNSを利用している中高生は全体の半数近くにのぼり、特に高校1年生で利用率が高い。主に利用されるSNSは「LINE」や「Instagram」であり、中学生ではTikTok、高校生ではX(旧Twitter)を活用する傾向も見られた。SNSの用途は「勉強方法の情報収集」や「モチベーション維持」が中心で、勉強記録やタイムラプス撮影、勉強風景のライブ配信などが行われている。
YouTubeはさらに多くの中高生に利用されており、7割以上が視聴している。特に高校3年生では8割以上が勉強時にYouTubeを利用しており、人気のコンテンツは「授業動画」が最多だった。中でも「とある男が授業してみた」「Stardy – 河野玄斗の紙授業」「映像授業Try IT」などのチャンネルが支持を集めた。
進路情報収集でもYouTubeの利用が広がっており、高校生の半数以上が学校の公式動画や進路情報動画を視聴している。キャンパスや校内の様子を紹介する動画や、在校生・教授のインタビュー動画が特に好評だった。
学習時にスマホ利用を工夫している中高生は7割にのぼる。最も多い工夫は「タイマー・ストップウォッチの利用」で、「スクリーンタイムの設定」や「スマホ制限アプリの利用」も多かった。また、スマホ外の方法として「電源をOFFにする」「両親に預ける」といった物理的な手段も挙げられた。
GIGAスクール構想の普及により、学校でのデジタル端末利用が一般化する中、今回の調査では学校外でのデジタル学習の広がりが確認された。特に高校生はデジタル教材を活用した塾通いが増え、YouTubeやSNSを学習や進路情報収集に積極的に利用している。一方で、スマートフォンの利用を制限する工夫も進んでおり、デジタル学習時代におけるバランスの重要性が示唆されている。
調査結果の詳細は、Studyplusトレンド研究所の公式Webサイトで公開されている。