台湾雲林科技大×福工大、TSMC設立の「日本人プログラム」募集協力開始

 福岡工業大学・同短期大学部と附属城東高校は、台湾の国立雲林科技大学と協力して、同大と半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が設立する、「日本人プログラム」への学生受入れに向けた高校生・短大生向けの募集説明会を開く。

日時:9月27日(金)12:00~ 場所:福岡工業大学E棟3F R1教室
 TSMCの熊本進出をはじめ、半導体後工程受託の最大手、日月光投資控股(ASE)が北九州市への工場建設を計画するなど、九州には今、半導体をめぐる海外企業進出のビッグウェーブが到来している。こうした中、福岡工業大学は、学術交流を目的とした協定を結んでいる雲林科技大学が、このたびTSMCからの出資を受けて設立する、半導体産業の専門人材を実践的に育てる同プログラムに学生を優先的に入学させる協力関係を打ち出す。


TSMCが設立 半導体産業をリードする人材育成目指す「日本人プログラム」
 TSMCは来年(2025年~)、雲林科技大学内に台湾と日本の半導体産業で活躍する高度な専門人材を育成することを目指す、「日本人コース」を設立する。コースには日本の高校と短大などの卒業生が参加し、4年間のプログラムで半導体メーカーでの実務に欠かせない計測工学などの単位を修める。プログラムはTSMCから出資を受けて設立されているため、参加学生には以下のメリットがある。

TSMCが獲得・育成目指す「日本人専門人材」
 世界最大手の半導体メーカー、TSMCはことし2月に熊本工場を開所した。年末には第2工場の建設を開始し2027年末からの運用開始を目指すなど、九州で急速に生産拠点の開発を進めている。グローバル展開を進める中で同社が必要としているのが、日本の生産拠点の中核となる、実践的な知識と技術を持ったエンジニア。中長期的に日本の生産現場で責任を持ちながら、台湾と日本のパイプ役にもなれる人材を育てたいという背景から雲林科技大学に初の日本人コースを設立した。半導体の専門知識を持った九州の若者には国内外から需要の大きな波が寄せられている。福岡工業大学は、雲林科技大学と協力しながら学生・生徒の可能性を広げ、この人材需要の波にいち早く対応する。

革新的な教育、産学連携で台湾トップクラス。 国立雲林科技大学とは
 台湾の雲林県斗六市にある国立の科技大学。工学部や管理学部など5つの学部で約1万人の学生が学んでいる。1991年に設立された新しい大学だが、2024年の世界大学ランキングでは、台湾の全大学の中で7位になるなど、革新的な教育プログラムと産学協力の分野で高い評価を受けている。また、半導体分野では、担当する教員の70%以上が実務経験を有し、企業と密接に連携した教育プログラム展開し、TSMCをはじめ台湾の多数の半導体関連企業に多くの人材を送り出している。

プログラムの募集内容、スケジュール
半導体産業への就職を目指す日本人学生にとってはTSMC入社への近道になる可能性はもちろん、半導体産業のフィールドで活躍できる確かな力を養うチャンスを得ることにつながる。コースの卒業生は、全員TSMCへの入社を目指しますが、不合格の場合でも生活補助金返還の必要はない。福岡工業大学と附属城東高校には、このプログラムに優先枠が割り振られる。

コース種類対象定員入学者要件入学時期
TSMC 0+4学士課程(学士期間4年)高校卒業者30名機械、工業、およびマネジメントを学んだ高校生2025年9月
   TSMC 2+2学士・修士課程  (学士期間2年+修士2年)  高専、短大卒業者30名機械系学科の卒業生2025年9月
大学生向け中長期留学大学生若干名全学部生2025年2月、9月

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