AI学習アプリ「QANDA」を運営するMathpressoが、教育に特化したLLM開発で戦略出資を受けビジネス拡大戦略を発表

 AI学習アプリ「QANDA(クァンダ)」の開発・運用を行うソウル発のEd-techスタートアップ企業Mathpresso社は、教育に特化したLLM開発のため、韓国の通信大手KTから約12億円を調達した。グーグル、サムスン、バイトダンスなども出資する同社の総額資金調達額は約190億円となった。

 QANDAは、幼稚園から高校を卒業するまでの13年間の教育期間であるK12学生向け学習アプリとしてアップルストアにて2019年3月ダウンロード数第一位を記録する。OCR技術(光学式文字認識)を活用し、独自のAIアルゴリズムを基盤に、ユーザーが質問写真をアップロードするだけで、数秒以内にパーソナライズされた解説を得ることができる。日本国内では、2018年11月に日本語版QANDAのサービスを開始。スタートからわずか4カ月で教育チャートを席巻し、現在では、日本国内で月間アクティブユーザー数70万人、登録ユーザー数460万人に達している。

 2023年冬、QANDAは、韓国本社側でインタラクティブな対話形式の説明を提供するLLMベースのチャットボットを導入した。QANDAは現在、世界最大のAI学習プラットフォームであり、現在50カ国以上で9000万人以上の登録ユーザーがいる。ユーザーの大半は韓国だけでなく日本、ベトナム、インドネシア、タイなどアジアに集中している。毎日、世界中で約800万枚の質問写真がQANDAプラットフォームにアップロードされている。アジアでの成功の次のターゲットである、米国市場にも進出する。直近では、Prep.Pie (LLM)は、AIを活用した大学受験準備のための学習教材ジェネレーターで、2024年3月にめどに正式にサービスを開始する予定だ。

 現在、Mathpresso社が開発に力を入れているのが、教育に特化した大規模言語モデル(LLM)だ。A60億回以上の解答と検索、教師と生徒の対話データ、独自のOCR技術、高度な数学解法アルゴリズムを武器に、Mathpresso社は教育に特化した大規模言語モデルの構築にも既に着手している。

 Mathpresso社は、LLMモデルの精度とパフォーマンスを継続的に向上させ、最終的にはグローバルAIチューターとして学習インターフェースに統合する計画だ。同社のビジョンは、この強化されたAIチューターを、タブレットベースの個別指導のためのQANDA Tutorや、公立や私立などの教育機関向けに、カスタマイズされた非同期学習プラットフォームを提供するQANDA B2B & B2G SaaSなどを提供すること。

 日本の教育におけるデジタル変革の取り組みに合わせ、同社は革新的なAI学習管理システムを現地の教育機関に導入する予定で、国内の塾や教育機関(B2B)や政府機関B2Gとのパートナーシップを積極的に推進する予定だ。

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