京都フュージョニアリング、筑波大学とプラズマ加熱に関する特別共同研究契約を締結

 京都フュージョニアリング株式会社は、国立大学法人筑波大学と、プラズマ加熱に関する特別共同研究契約を締結した。この契約により、プラズマ研究センター(坂本瑞樹 教授 センター長)と共同研究を実施し、同社が主力事業の一つとするプラズマ加熱に関する技術成熟度を向上させ、フュージョンエネルギーの早期実現に貢献していく。

 京都フュージョニアリングは、核融合反応を起こすために必要なプラズマ加熱システム「ジャイロトロン」の開発・販売を主力事業の一つとしている。英国原子力公社(UKAEA)や米国ジェネラル・アトミクスを始めとする世界中の研究機関や民間企業から受注を獲得し、高い技術力と顧客が求めるニーズを満たす対応力を評価されている。2023年には、筑波大学のほか、核融合科学研究所(NIFS)、UKAEAおよびキヤノン電子管デバイス株式会社との国際産学共同研究グループにより、35GHz低周波数ジャイロトロンシステムの性能試験において、世界最長級かつ最大級となる3秒間の1MW級での出力を実現した。

 筑波大学は、設立から間もない1979年に「筑波大学プラズマ研究センター」を設置し、世界最大のタンデムミラー型プラズマ閉じ込め装置「GAMMA 10/PDX」(ガンマ10)を保有している。ガンマ10では、核融合反応に不可欠な超高温のプラズマの持続方法などを検証することができ、プラズマ加熱に関する様々な試験を行うことが可能。また、ジャイロトロンシステムの研究開発をけん引してきた假家 強准教授(数理物質系/筑波大学プラズマ研究センター 副センター長)が在籍し、プラズマ加熱に関する豊富な知見を有している。

 京都フュージョニアリングはフュージョンエネルギーの早期実現を推進するべく、筑波大学のプラズマ研究センターと特別共同研究を行うこととなった。低周波数ジャイロトロンにおける連続動作の実証や、高出力化の開発等、プラズマ加熱に関する技術成熟度の向上を目指す。

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