巻頭言
ヤマト運輸と地方路線バス会社間の業務提携が拡がりをみせる。
最初は2015年、岩手県北バスと「客貨混載」事業を開始した。路線は、北上~盛岡~宮古~重茂半島と150キロ以上に及ぶ。この区間を、北上~盛岡~宮古間の「ヒトものバス」と、宮古~重茂半島間の「客貨混載」の二つに区分する。前者はバス後部を改造し、荷物をフォークリフトでパレットごと積み降ろしできるようにした。後者は、乗降口付近の座席を改造し、荷物を積めるようにした。前者におけるヤマト運輸のメリットは、トラック便を減らせることだ。朝晩は輸送する荷物は多いが、日中帯は二ケタ少ない個数となる。これに対し後者は、重茂半島担当セールス・ドライバー(SD)が、日中宮古営業所に戻る必要がなくなる。それにより、SDの重茂半島滞在時間が伸び、サービス向上へと繋がる。例えば、お年寄りがスーパーに頼んだ買い物を、SDが届けるついでに安否確認もする「まごころ宅急便」サービスに、より多くの時間を割けるようになる。その結果、扱う荷物の量が1・5倍に増えた。
バス会社は収入が増え、特に廃止が進む過疎地のバス路線を存続できる。Win―Winの取り組みだ。
国土交通省は過疎地の物流対策として、同じような事柄を掲げる。「貨客混載」だ。ヤマト運輸が提唱する「客貨混載」と順番が逆だ。ヤマトのヤマトたる所以である。
是非、読者諸氏も知恵を絞り、八方良しの業務提携や商品開発に取り組んでいただきたい。
(如己 一)
目次
- 6 CatchUp1 東進ゼミナール 小学生の集客に成功 「プロクラ」の導入がきっかけに
- 8 CatchUp2 株式会社キャニオンマインド オンライン授業を格段にアップデートさせる「MAXHUB」
- 10 CatchUp3 株式会社学習塾あすなろ会 釧路に根ざす老舗塾の新たな挑戦
- 12 CatchUp4 向学塾 教育格差の是正を目指して 英語の講師不足の解消に「ELST 」が貢献
- 18 HOT TOPICS① 現代を生きる上で、アンガーマネジメントの重要性
- 20 HOT TOPICS②【特別連載】少子化による生徒数減少の危機を乗り切る 「縦型マーケティング」とは?〈前編〉
- 24 挑む私学 関西大学北陽中学校・高等学校
- 27 目次・巻頭言
- 28 NEWS ARCHIVES
- 56 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
- 57 【特集】 塾長の決断2023
- 72 TOP LEADER Interview 教育をアップデートし、子供たちに最適な教育を。 株式会社メイツ
- 83 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(356)
- 84 疾風の如く(170) 学習塾ボランタリーチェーン 塾エイド(千葉県) 代表 鴨志田 順 さん
- 86 For Whom the 塾 Tolls(27)
- 88 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(125)
- 90 白書界隈徘徊話(102)
- 92 PAPER Review(76)
- 94 自ら動き出すチームにする方法(109) 中谷彰宏
- 96 シン・ジュクジン(23)
- 97 芸術見聞録(123)
- 98 わが子、就学中(31)
- 99 塾長の机
- 100 為田裕行の「教育ICT行」(103)
- 101 10¹⁵ PETA(31)
- 102 現代学習塾経営概論(7)
- 103 Opinion from School(52)
- 104 林明夫の「歩きながら考える」(218)
- 106 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(51)
- 108 私塾界インサイト(67)
- 112 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(23)
- 114 咲かせよ桜(104) 小林哲夫
- 118 論点2023(10) AI導入の諸注意
- 122 編集後記
- 124 Book Review
- 126 塾長のためのガジェット講座