類設計室 「もと淀川区役所跡地等活用事業」の設計・監理業務として参画

 株式会社類設計室(大阪市・淀川区、阿部紘 社長)は、阪急阪神不動産および髙松建設株式会社が事業者として選定された「もと淀川区役所跡地等活用事業(大阪市)」の設計・監理(全体マスタープラン/複合施設棟の低層施設(意匠)/ランドスケープデザイン)にて参画している。2020年7月に設計開始、2022年8月に工事着手し、2026年4月に開始予定だ。
 この計画地は、阪急電鉄の主要3線の結節点にあたる十三駅至近にあり、将来はなにわ筋連絡線・新大阪連絡線の新設が予定されており、京阪神の要としての役割がさらに向上するエリアで、この事業では、集合住宅、図書館、保育・学童、商業、学校等の複合開発が計画されている。公共図書館と学校図書館(館内に、私設図書館:まちライブラリーと学校専用エリア)が相互連携を図る、国内初の図書館モデルを核とし、多様な人々を呼び込み、地域コミュニティを育む拠点を目指す。

 大阪市は、「もと淀川区役所跡地等活用事業(市有地不動産の貸付等)に関する開発事業者予定者募集プロポーザルを実施し、2020年6月に阪急阪神不動産および髙松建設株式会社が事業者として選定された。類設計室は、この事業における設計・監理業務(全体マスタープラン/複合施設棟の低層施設(意匠)/ランドスケープデザイン)として参画している。
 プロポーザルでは、当該用地に、「十三地区のブランド向上」、「にぎわいづくりや交流促進」、「淀川区政推進への寄与」に貢献する複合施設が期待されていた。この計画は、市有地に加えて2つの事業用地を含んだ開発区域とし、幹線道路に面して憩い・にぎわいの場となる約2,400㎡の公開空地を設けた。さらに、この公開空地に面して大階段を設けることで、2階の公民連携型図書館と一体的に活用できる豊かな公共的空間を生み出し、地域コミュニティ醸成の拠点性を高める計画とした。

 複合施設棟の2階は、約1,000㎡の大阪市立図書館と約500㎡の学校図書館を併設配置している。学校図書館は、地域開放する「まちライブラリーエリア」と、学生が利用する「学校専用エリア」にて構成されている。公共図書館と学校図書館・まちライブラリーがワンフロアで相互連携することによって地域交流拠点を形成する、国内初の図書館モデルとなる。
 各図書館には、静かに読書ができる場、読み聞かせができる場、そして、飲食やイベントもできるアクティブな場まで、多様な活動が展開できるように計画している。

 類設計室の所在地が淀川区であることを活かし、設計・工事段階から地域づくりの当事者として、地域の方々と連携した活動を実施し、にぎわい・活気を生み出す活動に取り組む。よどがわワイガヤ推進委員などの地域の方々との意見交換会の実施、十三こどもキラキラ祭りにて農園事業部で育てた野菜の販売、アーティストを招いたワークショップにて教育事業部の類学舎生が運営に協力するなどに取り組んでいる。

■事業および計画の概要(予定)
・事業名 :(仮称)大阪市淀川区十三東計画
・事業者 :阪急阪神不動産株式会社、髙松建設株式会社
・設計者 :(全体マスタープラン/低層施設(意匠)/ランドスケープデザイン)株式会社類設計室
(住宅部分(意匠)、設備・構造(全体))鹿島建設株式会社 一級建築士事務所
・施工者 :鹿島・髙松共同企業体
・建設地 :大阪市淀川区十三東1 丁目21-3 ほか(地番)(敷地面積 7,274.86 ㎡)
・交通  :阪急電鉄神戸線・宝塚線・京都線「十三」駅 徒歩3 分
・用途地域:商業地域
・権利形態:[敷地]一般定期借地権、[建物]区分所有権
・構造規模:鉄筋コンクリート造、一部 鉄骨造 地上3~39 階
・施設概要:集合住宅(712戸)、図書館、保育・学童、商業(スーパーマーケット)、学校(医療系専門学校)、公開空地(2,400㎡)等
・完成予定:2026 年4 月(予定)

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