“e-kagakuジュニア衛星“の作製費および打ち上げ費用をクラウドファンディングで募集開始

 一般社団法人e-kagaku 国際科学教育協会(京都市、北原 達正 代表理事)は、中高生が製作した人工衛星を打ち上げる世界初のプロジェクト「e-kagakuジュニア衛星プロジェクト」で作製する人工衛星”e-kagaku ジュニア衛星”の作製費用および打ち上げ費用をクラウドファンディングで募集する。募集期間は6月18日まで、目標金額は1,000万円を目指す。

クラウドファンディングサイト:https://global-science.or.jp/fund/

完成した”e-kagakuジュニア衛星”のエンジニアリングモデル。手前の面に組み込まれているのがmini-Mt.FUJI。地上からのレーザを反射する。

 e-kagakuジュニア衛星は小型人工衛星CubeSat(キューブサット、10×10×10cmサイズ、重量1kg)サイズとなり、地球上から光学観測できるほぼ限界の大きさ。衛星に搭載されたmini-Mt.FUJI(JAXAが開発した衛星レーザ測距(SLR:Satellite Laser Ranging)用の超小型反射器)に向けて地上のSLR局からレーザを照射し、反射して返ってきた光を再び検知するまでの往復時間を計測することで、SLR局と人工衛星との距離を高精度(mmオーダ)に測定することができる。そのデータはスペースデブリ(宇宙ゴミ)の軌道解析や民間人の宇宙旅行に必須な宇宙保険の料率など、急成長する宇宙ビジネスに大きく寄与するものと考えられる。

スペースデブリ(宇宙ゴミ):地球周回軌道に存在する、役目を終えた人工衛星やロケットなどを「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」と呼んでいます。宇宙開発の進展に伴いスペースデブリは年々増加の一途をたどっているうえ、それぞれ異なる軌道を周回しているため、回収及び制御が難しい状態だ。これらが活動中の人工衛星や宇宙船、国際宇宙ステーション(ISS)などに衝突すると、設備が破壊されたり乗員の生命に危険がおよぶ恐れがあるため国際問題となっており、対策が必要となっている。

<e-kagakuジュニア衛星プロジェクトについて>
 このプロジェクトは2020年2月から開始され、人工衛星作製経験が全くない小・中・高・大学生34名が参加している。人工衛星はオリジナルで設計・開発を行っており、特にmini-Mt.FUJIをCubeSatに取り付けた事例はこれまでにないため筐体を設計するところから始めた。2022年12月にエンジニアリングモデル(EM)が完成。今後は2023年8月にフライトモデル(FM)の完成予定、JAXAの安全審査を経て、2024年6月に宇宙に打ち上げ、ISS日本実験棟「きぼう」から放出される予定。

 このプロジェクトはe-kagakuが掲げる「産業界と教育界が連携するICT人材育成」の集大成。今回のプロジェクトで、「宇宙をジュニアたちの実践教育の場とできること」「どこに住んでいても最先端のプロジェクトに参加できること」「10年以内に実現する産業にいち早く取り組める人材を育成すること」「ハードとソフトとデザインすべてを小学生から学べること」を証明したいと考えている。

<一般社団法人e-kagaku国際科学教育協会について>
 2014年6月設立。Space Robot Contest のほか、小中学校、高校、大学等における AI/データサイエンスやロボット/ドローン体験教室や合宿を全国各地で開催。「スポーツやピアノと同様に、大人が使う本物の道具(ロガーやアプリケーション)と本物のスキル(知識やプログラミング)を使ったSTEAM教育を、小学生からどこでも行う」ことをコンセプトに、子どもから大人向けのSTEAM教育、ICT教育を全国で行い、科学を通じた人間育成と、教育格差のない社会の実現のための環境整備を行っている。

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