NVIDIA、滋賀大学との連携により「DLI データサイエンス教育キット」の日本語版の無償提供を開始

 NVIDIAは2022年9月8日、NVIDIAが提供するデジタルスキル育成プログラムであるDeep Learning Institute(DLI)( https://www.nvidia.com/ja-jp/training/ )より、「DLI データサイエンス教育キット」の日本語版の提供を開始したことを発表した。この教育キットは日本のデータサイエンス教育の普及を目的に、滋賀大学とのコラボレーションによって翻訳された教育用教材。教育機関に所属する教員は無償でダウンロードし、データサイエンスの教育に活用することができる。 

 NVIDIAは、ディープラーニング、データサイエンス、ハイパフォーマンス コンピューティング (HPC) などさまざまな分野に向けて、高度な演算能力を持つ GPU と開発プラットフォームを提供しており、これらを活用できる人材の育成にも注力している。DLIでは、教育者むけプログラムの「DLI 教育キット」のほか、上記の分野におけるスキルや知識習得を目的とした「オンライントレーニング」や「講師によるワークショップ」など、多様な学習ニーズに合わせたリソースを提供している。

 米コロンビア大学、英オックスフォード大学、シンガポール国立大学、香港科技大学など世界中の主要な高等教育機関がDLIをカリキュラムで活用しており、学生は最先端のテクノロジ トレンドを実践的に理解し、デジタルスキルを習得している。

「DLI データサイエンス教育キット」の英語版は、ジョージア工科大学およびプレイリー ビュー A&M 大学の研究チームがNVIDIAと共同開発した教材。ダウンロード可能な講義用スライドや演習課題、DLI オンライン トレーニングへのアクセス権、クラウドの GPU インスタンスのクレジット等が含まれる。教員が最新技術を自ら学んだうえで、教材や演習、そして学生の理解度を評価するためのテストやクイズ等をゼロから作成するのは非常に大変だが、NVIDIAはこれらをパッケージにして提供することで教員の負担を軽減し、効率的に充実したカリキュラムを策定するのを支援している。

 このキットを通じてデータサイエンスの様々な領域の基礎と応用の学習が可能であり、データ収集、前処理、NVIDIA RAPIDS( https://www.nvidia.com/ja-jp/deep-learning-ai/software/rapids/ )によるアクセラレーテッド データサイエンス、スケーラブルで分散されたコンピューティング、GPUで加速された機械学習やデータ ビジュアライゼーションとグラフ解析の分野をカバーしている。また、コンテンツには公平性やデータバイアス、マイノリティなど、文化的な責任に関するトピックも含まれており、講義用スライドは計1,000ページ以上にのぼる。

以下はキットでカバーしている主要なトピック

•  データサイエンスと RAPIDS の入門
•  データ収集と前処理(ETL)
•  データセットにおけるデータ倫理とバイアス
•  データ統合と分析
•  データビジュアライゼーション
•  Hadoop、Hive、Spark と HBase によるスケールと分散コンピューティング
•  機械学習(分類)
•  機械学習(クラスタリング、次元削減)
• ニューラルネットワーク

滋賀大学との連携により、国内のデータサイエンス教育の普及を支援

 滋賀大学は2017年に日本初のデータサイエンス学部を設置しており、全国でいちはやくAIを含むデータサイエンス教育に取り組んできた。滋賀大学はこれまでも教材の開発に注力してきたが、NVIDIAの「DLI データサイエンス教育キット」はその豊富な内容から、日本のデータサイエンス教育に極めて有用なものであると考えたため、データサイエンス学部の教員と学生がNVIDIAとともに昨年より日本語化に取り組んできた。データサイエンス研究科の授業ですでに本教材が活用されている。

 この取り組みをきっかけに、NVIDIAは滋賀大学との連携をさらに深めるため、滋賀大学データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター( https://dsai-shiga-u.studio.site/ )と5月に協定を締結( https://www.ds.shiga-u.ac.jp/dscenter_info/p7282/ )した。NVIDIA の持つ先端技術やビジネスの知見と、滋賀大学の教育の知見を組み合わせることでさらなる教材を作成し、ジュニア向けから一般社会人向けまでを対象とした AI、データサイエンス教育を広く普及して行くことを構想している。さらに、膨大な各種データを活用した社会課題解決のための共同研究や人材育成なども視野に入れ、産学連携事業を推進する。

「DLI データサイエンス教育キット」の日本語版は、教育機関の教員であれば、だれでも無償で利用ができる。登録ページ( https://developer.nvidia.com/ja-jp/teaching-kits )にアクセスし、「いますぐ登録」から申し込める。NVIDIA の承認後、「DLI データサイエンス教育キット」だけでなく、すでに提供中の「ディープラーニング教育キット」の日本語版を含め、4種の教育キットがすべてダウンロード可能になる。申し込みには無料の NVIDIA 開発者アカウントの作成が必要。

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