国立大学法人岡山大学(岡山市・北区、槇野博史 学長)は、2022年6月30日、文部科学省の「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」に選定された事を発表した。
この事業は、医学部における養成課程の段階から医師の地域偏在及び診療科偏在や高度医療の浸透、地域構造の変化などの課題に対応するため、将来、地域医療に従事しようとする意思をもつ学生を選抜する枠を活用し、地域にとって必要な医療を提供することができる医師の養成に係る教育プログラムの開発・実施を行う教育拠点を構築することを目的としている。
同大学は豊岡伸一医学部長を事業責任者として「多様な山・里・海を巡り個別最適に学ぶ「多地域共創型」医学教育拠点の構築」の事業名のもと、島根大学、鳥取大学、香川大学の4大学連携で申請し、11件の選定事業のひとつに選ばれた。事業活動期間は、令和10年度までの7年間。
同大学の拠点事業は、地域枠学生が多彩な地域ならではの医療課題を個別最適に学習・体験することで、卒後に地域医療への従事を強く志向し、地域が求める優れた医療を提供できる医師を養成することを達成目標に掲げている。また、連携する島根大学や香川大学、鳥取大学がそれぞれの豊かな個性と強みを掛け合わせ、地域枠学生に対する新たな「多地域共創型」医学教育モデルを構築し、推進していく。
岡山大学は2010年に岡山県との協定で寄付講座「地域医療人材育成講座」が設置されている。今回の実施事業にも関係する新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症医療人材育成の事業である文部科学省の「感染症医療人材養成事業」や、近年医療分野においても発展が著しいAI等デジタル技術を身につけ、地域ならではの豊富な医療課題をキュレーションし、AI解決までをデザインできる人材を広く養成する文部科学省の「保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト『Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発』人材育成教育拠点」など、さまざまな事業の採択を受けている。