米連邦準備理事会 22年ぶりに0.5%利上げ

 米連邦準備理事会(FRB)は5月4日、22年ぶりとなる0.5%の利上げを決めた。保有資産を圧縮する「量的引き締め(QT)」の6月開始も決定した。新型コロナウイルス禍で急拡大した緩和マネーの正常化を急ぐという。
 短期金利の指標であるFF金利の誘導目標を0.25〜0.50%から0.75〜1.00%に引き上げた。FRBは3月会合で0.25%の利上げを実施し、約2年ぶりにゼロ金利を解除したばかり。0.5%の引き上げはドットコムバブルで景気が過熱していた2000年5月以来となる。
 5月4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比932ドル(2.8%)高の3万4061ドルとなった。米長期金利の指標になる10年物国債利回りは3%近辺から一時2.9%台前半まで下がった。外国為替市場では対ドルの円相場が1ドル=128円台後半と円高・ドル安が進む場面があった。
 米FRBが金融緩和の縮小を急ぐのは、コロナ禍後の米経済が過度の供給不足に陥っているため。個人消費は順調に回復しているが、感染拡大で離職した働き手が戻らない。市場では急速な利上げが景気後退を招くことへの警戒感が根強いという。

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