政府は7月14日、スタートアップ・エコシステム拠点都市を発表した。アメリカのシリコンバレーのようなベンチャー企業の活動拠点となる都市を整備し、世界に伍する革新的な技術やビジネスモデルを生み出し、世界に新しい価値を提供する、企業価値が10億ドル以上のユニコーン企業を多数輩出する都市を形成する方針を打ち出した。
【グローバル拠点都市】
・スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム
・Central Japan Startup Ecosystem Consortium
・大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアム
・福岡スタートアップ・コンソーシアム
当初は2~3都市の予定だったが、立候補する都市が多く拠点数が上積され4都市圏が選ばれた。
グローバル拠点都市に選定されると、自治体や大学、民間企業が連携して起業のための人材育成や環境整備が行われ、資金調達や事業入札でさまざまな支援を受ける事が出来るようになる。政府は設立10年以内の未上場で企業価値10億ドル以上の「ユニコーン企業」を各都市で5社以上生み出す予定だ。これで得られた資金やノウハウを活用して2022年までにベンチャー企業への投資額を倍増。日本経済全体の成長につなげたい考えだ。
また政府は、「グローバル拠点都市」に比べ規模は小さいものの、スマート農業や環境技術など特定分野のベンチャー企業の集積を目指す、「推進拠点都市」も発表した。
【推進拠点都市】
・札幌・北海道スタートアップ・エコシステム推進協議会
・仙台スタートアップ・エコシステム推進協議会
・広島地域イノベーション戦略推進会議
・北九州市SDGsスタートアップエコシステムコンソーシアム
ユニコーン企業は平成30年2月末現在で米国151社、中国82社であるのに対し、日本は1社のみ。ベンチャー投資に関しても29年の米国は約9・5兆円、中国約3・4兆円なのに対し、日本は1976億円で、欧州の8140億円にも及ばない。