5月29日静岡県袋井市は、約8,000人の全児童生徒に学習用端末(タブレット)を1人1台整備することを発表した。関連事業費約6.3億円(5年間のリース契約)のうち、市が負担する約4億円を6月1日開会の市議会6月定例会に提出する。令和2年度一般会計補正予算案に盛り込む予定だ。児童生徒に1人1台の学習用端末を整備する国の「GIGAスクール構想」の一環で、昨年度、1,280台(約6人に1台)を整備済みのため、残り約6,720台を本年度11月末までに整備する。併せて高速大容量の通信ネットワークも整備し、ICTを活用した学習環境の充実を図る。
また、子どもたちの情報活用能力の向上、分かりやすい授業のため、教員の研修も積極的に行う。
1 学習用端末の整備(6月補正予算)
(1)整備台数 約6,720台(全児童生徒約8,000人/台 - 既存端末1,280台)
(2)整備内容 学習用端末(タブレット)、学習アプリケーションライセンス、保守代等
(3)整備費用 約6.3億円(うち国費約2.4億円、市費3.9億円)
2 ネットワーク環境の整備(予算措置済み)
(1)整備箇所 市内小中学校15校(小学校12校、中学校3校)※浅羽中学校は、校舎の改築改修工事の中で整備
(2)整備内容 ネットワーク機器類、LAN配線、無線アクセスポイント、充電保管庫等
(3)整備費用 約4億円
3 活用方法
(1)教員と児童生徒・児童生徒同士の双方向のやりとりやグループでの同時編集など、学習シーンに応じてICTを活用することで、多様な考えに触れる中で学び合い、考える力を育てる。
(2)1人1台端末の環境を生かし学校と家庭の学びに連動性と一体性を持たせることを目指して、教員が研修プロジェクトに取り組んでいく。臨時休校に伴う学びの保障に限らず、授業で学んだことを家で振り返ったり、次の授業に課題を持って臨んだりできる学習をめざす。
4 教員の研修について
(1)実際にタブレットを操作しながら内蔵されているアプリの活用方法について学ぶ「タブレット活用研修会」や、タブレットを使って学習している子どもの姿から活用方法を学ぶ「ICT活用授業力向上研修会」などの研修会を定期的に開催して、市内教員の授業におけるICT活用スキルの向上を図る。
(2)「おうちで考えようプロジェクト」をスタート地点として、市内の教員がICTを活用した教材の開発等について、学び合う機会を設けていく。これから整備予定の(仮称)教育会館のICT研修室で、学校教育課指導主事や各校のICT担当教員等が講師となり、教員のスキルの向上に向けた勉強会を開催する。
(3)各学校では、ICT担当教員等が中心となり、市の研修会等で学んだ内容を校内で積極的に広げていく。
(4)各校の教員がICTを活用した教材や授業案等をクラウド上で共有し、多くの学校で授業の中で活用していく、授業力の向上を図るとともに、教材準備の効率化につなげる。
(5)授業でのICTの活用を充実させるため、ICT支援員を配置。今年度は、小中学校に月2回程度訪問し、活用を支援する。