「Welcome to PAPABUBBLE!」
「Would you like to try one?」
子供たちが英語でお客さんに語りかけている。場所は2月17日の大丸東京店にあるアート・キャンディ・ショップ「PAPABUBBLE」。彼らは、やる気スイッチグループが展開するバイリンガル幼児園Kids Duo International(以下、KDI)センター南に通い、この4月に開園するKDI青葉台に通うことになった子供たちだ。
子供たちは、おそろいのエプロンとベレー帽を着用。衛生指導や商品陳列のレクチャーを受けた後、いよいよ現場へ。英語で商品説明のアナウンスや外国人のお客さんに声をかけて試食を勧めるなど精力的に働いていた。
このKDI青葉台をフランチャイジーとして運営するのは、大丸、松坂屋、パルコなどを展開するJ.フロントリテイリンググループのJFRこどもみらい株式会社だ。今回の大丸東京店での職業体験は、百貨店を運営するグループのリソースが活用されており、KDIの職業教育プログラム「ラーニングステーション(Learning Stations)」初の課外授業でもある。
「ラーニングステーション」は、KDI園舎内に設けられた職業体験コーナー。ここでは、ベーカリー、クリニック、デパートメントストアなど様々な職業体験を通じて疑似的社会活動を行うことで、子供たちは働くことの楽しさや厳しさ、あるいはお父さんやお母さんの大変さを体験しながら学ぶ。
Jフロントが、KDIの運営を決めた一つの理由は、百貨店の顧客の変化だと言う。
「私どもには富裕層のお客様も多くいらっしゃるのですが、そのお客様は、20年ぐらい前は、お子様やお孫さんにブランド物の良い服を着せたいと考えられていましたが、今は “良い教育を受けさせたい“と、お金のかけ方が外見ではなく、中身にシフトしています。そのニーズに応えるため、ネイティブ講師が常に側にいる英語教育など、ハイクオリティのものが提供できるKDIの運営を決めました」と、J.フロントリテイリング執行役常務の藤野晴由氏は言う。
2013年に誕生したキッズデュオインターナショナルは現在、首都圏に4園(センター南、三鷹、おおたかの森、池上)を展開。この4月には、J.フロントが運営する青葉台を含めて3園(青葉台、新浦安、ニッケコルトンプラザ市川)が同時オープンする予定だ。
同社は、KDI青葉台を開園するにあたり、半年以上前から研修を繰り返し行うなど準備を進めてきた。
「今後も、KDIのカリキュラムをベースに、百貨店を持つ我々でしかできない教育プログラムを提供し続けていきます」と、藤野氏は続ける。
やる気スイッチグループとJ.フロントリテイリンググループの協働は、教育ビジネスの新たな形態として広まっていくかどうか。注目していきたい。