月刊私塾界2018年10月号(通巻450号)

巻頭言

8月末大曲の花火へ行ってきた。
 大曲の花火大会は、その正式名称「全国花火競技大会」が示す通り、純粋に競技大会である。全国150社あまりから厳選された30社以下――今年の第92回大会は27社――が、1年かけ作製し、花火をつくった本人が自らの手で打ち上げる。花火の種目は昼花火の部と夜花火の部に分かれる。昼花火は全国でもここ大曲にしか残っていないが、昔から花火通の粋人が好むものだそうだ。夜の花火は光を楽しむが、昼花火は色煙(紅、黄、青、緑、紫など)を駆使して色彩豊かに空に模様を描く。
 夜花火の部は、10号玉・芯入割物の部、10号玉・自由玉の部、創造花火の部の三部門に分かれる。芯入割物とは、同心円状に真円を描く菊型花火のことであり、競技では四層以上の円を描くと規定されている。自由玉の部は、芯入割物と重複しないもので、冠菊、千輪などがあり、花火師の意図が色彩や形に現れる。創造花火の部は、花火の題名にイメージを表現し、音楽に合わせて打ち上げる。色彩、リズム、立体感、構成などを、創造性と独自性から審査される。
 細かく規定され、厳格な統一ルールの基審査される。1910年から続く伝統的花火大会だが、創造花火の部などに見られる通り、常に新機軸を打ち出している。
 学習塾にも次々新機軸が持ち込まれる。AIを用いたアダプティヴラーニングや英語四技能などだ。伝統的に生徒の成績を上げることを守りながら、新たな技術、方法にチャレンジする。それがなければ未来はない。

(如己 一)

目次

  • 8 CatchUp01 株式会社アガトス
  •   地域、学校、そして同業者からも支持される柏の塾

  • 10 CatchUp02 株式会社グッドアット
  •   話すだけではない4技能をバランスよく学べるオンライン英会話講座

  • 12 CatchUp03 株式会社早稲田スクール
  •   「FLENS算数特訓」を軸に据えた小学部のカリキュラム改革

  • 16 挑む大学 キリロム工科大学
  •   英語と最先端のIT技術を学べる大学がカンボジアに

  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 44 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 45 【特集】英語4技能試験に対応する授業のつくりかた
  • 60 Special Report 私塾界エグゼクティブセミナー2018 幼児教育を考える
  • 68 TOP LEADER Interview
  •    株式会社学研塾ホールディングス
       持続的な発展の礎を創る、新たな3年へ。

  • 72 教育サービス業界 企業研究(72) 株式会社ミスターフュージョン
  • 83 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(297)
  • 84 疾風の如く(111)株式会社COLEYO(京都府)代表取締役 川村 哲也さん
  • 86 好機到来(42)教養道 塾長 奥村 武敏さん
  • 88 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(65)
  • 90 白書界隈徘徊話(43) 西村克之
  • 92 自ら動き出すチームにする方法(49) 中谷彰宏
  • 94 塾の家計簿(17)
  • 96 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(63)
  • 97 芸術見聞録(63)
  • 98 ぼくの幼児教育考(4)
  • 99 塾長の机
  • 100 為田裕行の「教育ICT行」(43)
  • 102 英語教育 どう変わらなければならないか(4) 田中 茂範
  • 104 林明夫の「歩きながら考える」(158)
  • 106 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(21)
  • 108 私塾界インサイト(7)
  • 112 咲かせよ桜(46) 小林哲夫
  • 116 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(65)
  • 118 論点2018(10) 義務教育学校とは
  • 122 編集後記
  • 124 Book Review
  • 126 塾長のためのガジェット講座

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