巻頭言
新年度授業料はどうされただろうか。講師募集費や人件費の上昇から、値上げせざるを得なかった――値上げしたかった――のではないか、と推察する。その結果や効果は如何に。
近年多くの学習塾が授業料を値上げしていることは、「学習塾白書2016」からも分かる。
しかし、単純な値上げが許される甘いご時世ではない。読者諸兄の学習塾では、どのような対策を採るのであろうか。
一つ参考になる例がある。モスバーガーが実施した値上げ対策だ。
15年5月、食材の原料費や人件費の高騰により、定番商品を約10%値上げした。ライバルのマクドナルドに比し、元々価格が高いにもかかわらずに、である。
前年後半マクドナルドが、鶏肉の期限切れ問題や異物混入騒動から、客足がモスバーガーに向きつつある追い風は吹いていた。しかし、値上げはそれを止めかねない。
そのような環境下、採った対策は基本を徹底することであった。しかも非常にシンプル。
その内容は、調理の仕方からハンバーガーを上手に紙に包む方法に至るまでの手順を、全てのスタッフで確認し、徹底するための「製造勉強会」を全国で展開したのだ。これまでのマニュアルには無い部分にまで及ぶ。
そして、この勉強会は意外な効果を齎す。スタッフが、自らが提供する商品の良さに改めて気付き、自信を持って客に販売できるようになった、というのだ。
やはり何事も「凡事徹底」である。
(如己 一)
目次
20年、30年先を見据えた大改革
松戸市子ども支援課、エデュケーショナルネットワーク、
さいたまユースサポートネットの取り組みを追う
個別指導塾から自立学習塾へ、顧客ニーズを先取り。
望月 宏典さん