サマデイグループの株式会社ヒューマンデザインと一般社団法人日本アクティブラーニング協会は、8月8日、同19日の2回にわたって、独立行政法人教員研修センターの「平成28年度教員の資質向上のための研修プログラム開発事業」として、「アクティブ・ラーニング研修〔教員のためのシアターラーニング〕」を実施した。
本事業の趣旨は、アクティブ・ラーニングやICTの利活用等、新たな教育課題に対応した研修プログラムの開発と全国的な普及を目的として、民間教育団体の知見を活用し、先進的かつ斬新な研修プログラムを開発し実行する取り組みに対して支援を行うというものだ。事業に採択された本研修は、小・中・高・大の教職員を中心に、各日程100名を定員として、計200名を対象に行われた。
この研修を主催した株式会社ヒューマンデザインは、舞台芸術作品を公演する「音楽座ミュージカル」の舞台演出メソッドを活用した研修を、様々な業種の企業や教育機関に提供している。
アクティブ・ラーニングの現場において、教員は、しばしば予測もつかない発言や突発的な状況への対応、その場で感じて判断し、行動する力を要するが、これは、舞台俳優がステージに立つ際に求められる力と重なるとして、俳優の作品創造、稽古のプロセスを積極的に取り入れることで、不測の事態に対応する資質を高めるプログラムとした。
研修プログラムでは、アクティブ・ラーニング実施の現状、社会の変化、大学入試の変化を振り返った上で、身体を使ったアイスブレイクのアクティビティを行い、参加者が6人1組程度のチームとなって、「アクティブ・ラーニングの普及」をテーマにミュージカルCMを創作した。
研修内では、日本アクティブラーニング協会が作成したルーブリックが活用された。ルーブリックは、アクティブ・ラーニングを実践するにあたって求められる能力・資質を評価し、向上させるためのもので、「パフォーマンス(表現する力)」と、「リーダーシップ(組織を動かす力)」の2種があり、同協会のファシリテータ認定基準ともなっている。また、同協会の書籍には、この研修の基本的な考え方や用語がまとまっており、参加者にテキストとして配布された。
研修後のアンケート調査によると、97.3%の参加者が「自己の指導の見直しに役立った」と回答し、自由記述回答では「アクティブ・ラーニングの実践にむけては、教員である自分自身を変える必要がある」との感想が目立った。
株式会社ヒューマンデザインが運営する「アクティブ・ラーニング研修」は、日本アクティブラーニング協会の認定トレーニングに指定されており、同社のウェブサイトから法人単位で申し込むことができる。また、修了認定者には同協会からファシリテータライセンスが発行される。