巻頭言
理化学研究所の森田浩介グループディレクターが率いる新元素探索チームが、原子番号113番を発見した。世界中のチームと鎬を削り、12年に成功した。03年から原子番号30の亜鉛と83のビスマスを加速器内で衝突させ核融合反応を起こし、実験を繰り返した。
森田チームは命名権を得、「ニホニウム」と提案し、6月8日に公表した。日本由来初の元素だ。
現在の原子核物理学では、新しい元素の存在だけでなく、その性質まで予測できる。それを莫大な費用と時間を費やす意味があるか、などと批判してはならない。このような基礎研究が重要なのである。
同じようなことがある。重力波の発見だ。こちらはアインシュタインが100年前に、理論的に予測した。それが昨年9月初めて観測に成功した。ブラックホールのような光を発しない天体の天文学が始まる。昨年ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章氏も、今年3月から「KAGURA」を用いて観測を開始した。
教育におけるCAIは、第二次世界大戦中アメリカで兵士教育のために、研究・開発されたものだ。今では、eラーニング、それも人工知能(AI)やビッグデータを利用したものにまで達している。
これはペスタロッチやデューイらの基礎研究の上に、ガルニエの学習理論やアフォーダンス理論等々を積み上げた上に成り立つ。
是非、読者諸兄も基礎理論や応用研究を学び、グーグルやマイクロソフトが提供するAIを利用し、新たな学習機会の創造にチャレンジして欲しい。
(如己 一)
目次
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