全国学力テストにCBT本格導入 オンライン解答で測定精度向上へ

 文部科学省は4月14日、小学6年生と中学3年生を対象とした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を開始した。今年度から、パソコンで解答するCBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式が本格導入され、中学理科の試験で初めて実施された。
 CBT方式の導入により、動画視聴や図の操作など、紙では実現できなかった多様な出題が可能になった。また、各生徒の回答に応じて出題内容が変化するIRT(項目反応理論)方式により、より詳細な学力の把握が可能になる。
 今後は2026年度に中学英語への導入、2027年度にはすべての科目での紙試験廃止が予定されている。一方で、通信環境の不十分さが課題となっており、全国の公立学校で推奨通信速度を満たすのは2割にとどまっている。
 CBTはOECDのPISAやフランスの学力調査でも導入が進んでおり、国際的な標準となりつつある。日本でも大学入試や国家資格試験への応用が検討されており、今回の全国規模での実施は、今後の導入拡大に向けた重要な一歩となりそうだ。
 テスト結果は7月以降に公表される予定だ。

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