巻頭言
公教育の底力と民間教育の支え
新年を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年も教育に携わるすべての方々と共に、子供たちの成長を支え続けていただききたい。
先日、日本の小中学生の理数分野における国際学力調査の結果が発表された。そこには「世界トップ層を維持」という輝かしい成果が示されていた。日本の公教育が持つ底力が、依然として健在であることを証明した結果である。しかし一方で、理数分野に対する「苦手意識」が根強く残っていることも浮き彫りになった。
この「苦手意識」の払拭こそが、次の課題である。日本の公教育は基礎学力の養成においては確かな実績を積んできたが、個別の理解度や学習速度に応じたきめ細かな対応には限界がある。そこで学習塾をはじめとする教育サービス企業が、学びを補完する重要な役割を果たしている。公教育が全体の底上げを担う中で、学習塾は生徒一人ひとりに寄り添い、個々の理解や苦手克服に焦点を当てることができる存在である。
AI(人工知能)やICTの導入が進む一方で、対話を通じた学びの価値も見直されている。塾の先生方は、単に知識を伝えるだけでなく、生徒の学びへの苦手意識や興味関心を引き出す「教育の最前線」に立つ存在である。その力量こそ、子供たちの学力向上の鍵となる。
公教育の強みと学習塾の支えが連携し合うことで、日本の教育はさらに進化するはずである。本年も教育の現場に新たな価値を提供し、次世代の子供たちに確かな未来を築く一助となることを願っています。
(如乙 一)
目次
- 16 CatchUp① 教育アライアンスネットワーク(NEA)学習塾業界の未来を支えるNE
- 18 CatchUp② 株式会社Avalon Consulting大学入試の未来を拓く「年内入試ナビ」の挑戦
- 20 HOT TOPICS 1『SNSで生徒は集まるのか?』学習塾団体合同会議が研修会を開催
- 22 HOT TOPICS 2【塾・予備校経営者の皆様へ】 今、塾・予備校経営者が本気で考えなければならない喫緊かつ最大の命題あなたの塾は、誰に承継するのか?「WEBSTAR倶楽部 事業承継コース」誕生!
- 24 挑む私学 広尾学園小石川中学校・高等学校
- 27 目次・巻頭言
- 28 NEWS ARCHIVES
- 56 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
- 57 【特集】 編集部が選んだ 2024年重大ニュース 注目のキーワード2025
- 74 Special Report Studyplus Agenda 2024AW ~いま考えるべき教育と経営の論点~
- 82 TOP LEADER Interview 学びが多様化する中で、 もう一度立ち戻って塾の在り方を模索。 株式会社 日能研東海
- 92 企業研究(141) 株式会社affluent
- 95 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(371)
- 96 疾風の如く(185) 個別指導塾Growy(株式会社Grabit)(東京都) 代表 ユウシン さん
- 98 現代学習塾経営概論(22)
- 100 For Whom the 塾 Tolls(41)
- 102 自ら動き出すチームにする方法(124) 中谷彰宏
- 104 One Target(新連載) 的場一成
- 106 PAPER REVIEW(10) 浅見貴則
- 108 シン・ジュクジン(38)
- 109 芸術見聞録(138)
- 110 わが子、就学中(46)
- 111 塾長の机
- 112 為田裕行の「教育ICT行」(118)
- 113 10¹⁵ PETA(46)
- 114 キクチカラ(新連載) 菊地香江
- 115 Opinion from School(66)
- 116 林明夫の「歩きながら考える」(233)
- 118 新・授業改革を目指して(142) 石川幸夫
- 120 私塾界インサイト(82)
- 124 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(38)
- 126 咲かせよ桜(118) 小林哲夫
- 130 論点2025(1) 国際卓越研究大学とは
- 134 編集後記
- 136 Book Review
- 138 塾長のためのガジェット講座