山梨県(長崎幸太郎 知事)は、全国に先駆けて公立小学校に導入している25人学級を、令和7年度より5年生に拡大、令和8年度には全学年に導入する方針を示した。
県では、令和3年4月から都道府県では全国初となる公立小学校の1年生への「25人学級」を導入した。その後、順次拡大し、現在、4年生まで対象を拡大しており、5年生以降への導入に向けて検討を重ねてきた。
少人数教育推進検討委員会(委員長:服部一秀山梨大学教育学部長)の議論を経て、課題であった教師不足への対応についての具体的な方策や関係者のコンセンサスを得るとともに、財源についても「やまなし教育環境・介護基盤整備基金」に電気事業会計からの繰入金を増額することにより実現可能と判断し、今回の発表に至った。
令和7年2月議会に提出する来年度予算案において、5年生までの25人学級に要する予算を計上し、議会の承認を得たうえで、実施していく予定だ。
4年生まで実施してきた25人学級は、「子どもたち一人ひとりにきめ細かな指導ができるようになった」「教師の負担軽減にもつながっていること」などと、学校現場や保護者から好意的に受け止められている。
少人数教育推進検討委員会では、5年生以降も25人学級を推進すべきとの意見が多く、報告書にもその方向性が示された。
特に、教師不足の中で少人数教育を進める具体策について、教師が不足する当面の間は25人学級の制度は維持しながら、教師が確保できる可能な範囲で国の基準である35人よりも少ない少人数教育を実施することや、学校の実情に合わせてクラスを増やさずに教師を追加配置するアクティブクラスの柔軟な運用が提案された。