株式会社ベネッセコーポレーション(岡山市、小林 仁 代表取締役社長)は、2025年4月より高等学校(中高一貫校含む)向けフルクラウド型校務支援システム「ベネッセ校務クラウド」の提供を開始する。
令和7年度の文部科学省概算要求は、学校における働き方改革や学習系・校務系データの連携などを想定してのクラウド環境での次世代校務DX環境の整備、さらに教育データ利活用の基盤となる情報セキュリティ対策などの、学校の基盤整備が急務とされている。
このサービスでは、これからの学校ニーズに応える高等学校向け校務支援システムとして、高等学校における主要な校務、①教務管理(成績処理、出欠管理、時数管理等)、②学籍管理(指導要録等)、③保健管理(健康診断票、保健室来室管理等)等をフルクラウド環境で統合して処理できる機能を提供する。さらに①の教務管理では、フルクラウド型の利点を生かした機能としてベネッセが高等学校向けに提供する模擬試験「進研模試」など各種サービスとの連携も予定している。
サービスの開発は、高セキュリティが求められる医療分野におけるサービスの開発、運用実績があるテクマトリックス株式会社(東京・港区、矢井 隆晴 代表取締役社長)の校務支援システム「ツムギノ」をベースに、高等学校の校務ニーズを理解するベネッセによるカスタマイズを加える形で進めました。各学校における販売や導入、および活用支援についてはベネッセが行う。
ベネッセグループにおいては、株式会社EDUCOMが全国の1/3にあたる約11,000の小中学校および約600自治体に校務支援システムを提供している。そして、今回さらにベネッセコーポレーションとして高等学校や中高一貫校へ校務支援システムのサービス提供を拡大することとなる。
このサービスの提供を通して、ベネッセでは、全国の高等学校や中高一貫校に対して、日々の校務の業務効率向上とご負担の軽減に加えて、学校が保有・管理するさまざまな校務データを可視化して分析・活用するための安心・安全な環境を提供している。
■新サービス提供の背景
近年、学校における働き方改革に向けた取り組みが行われており、生徒の出欠管理や成績管理、保健管理などの校務において、紙ベースの業務をデジタル化し効率的に行えるようにする校務DXが進んでいる。さらに、学校における1人1台端末の利用とネットワーク環境の整備により、デジタル端末による学習が進んでいる。今後の学校現場では、これらの取り組みで得たデータを連携し、ダッシュボードでの可視化や分析を行うことによる教育の高度化が望まれている。
このような社会環境を踏まえて、ベネッセでは高等学校(中高一貫校含む)に向けた新たなサービスとして今回のフルクラウド型校務支援システムを提供することにした。令和の学校現場が取り組む校務データ管理・活用の負担軽減と効率化を実現し、先生が子どもと向き合う時間を増やし、よりよい授業や指導に臨める環境づくりを支援する。さらに、この校務支援システムがフルクラウド型である利点を生かして、最大で単回40万人以上の高校生に受験され、大学・短大進学を目指す人のための国内最大規模の模擬試験「進研模試」等の自社サービスのデータを連携させるというベネッセならではの付加価値も提供する。今回のサービス提供開始により、生徒を多面的に把握し、より質の高い指導を実現する学校環境づくりに貢献していく。
■「ベネッセ校務クラウド」
1)ベネッセのサービスをはじめとした校内・校外の各種データとの連携
フルクラウド型の利点を生かし、ベネッセが高等学校(中高一貫校含む)向けに提供する「進研模試」等の模擬試験や、各種サービスの学習データとのデータ連携を予定している。校内の定期テスト等と併せて校務支援システム内で学習履歴を一元管理することで、進路面談などの際に生徒をより多面的に把握し、指導できるようになる。また、学校全体で様々なデータを組み合わせた分析が可能となる。
「進研模試」等のアセスメントを長年提供してきたベネッセの知見を活かして、データの連携やダッシュボードでの可視化、分析などの活用を支援する。
学校等欠席者・感染症情報システムとの連携や、健康情報、就学支援情報等の連携対応も予定している。
2)全ての利用者が使いやすいサービス
生徒や保護者を含むすべての利用者は、スマートフォンアプリを含む様々な端末環境で利用可能。
Microsoft Entra IDやGoogle Workspace for Educationとのシングルサインオン機能を実装しているため、ログインに手間取ることなく、日常のコミュニケーションや出欠連絡をスムーズに行うことができる。
入力された情報はリアルタイムで通知されるだけでなく、必要に応じて先生が承認を行ったうえで、様々な書類に反映されるため、先生の業務効率化につながる。
3)高セキュリティが求められる校務活用に向けた対策
シングルサインオンや2要素認証等の認証機能を備えており、データ暗号化、操作ログ保存を行っている。また、細かな権限設定や、ファイル入出力のための承認フローの設定も可能。校務系と学習系のネットワークを統合した環境での利用や、教職員のロケーションフリーでの利用においても、万全のセキュリティを提供する。
このサービスのベースとなる校務支援システム「ツムギノ」を提供するテクマトリックスは、医療分野においてレントゲン等の情報を保管・管理するサービス「NOBORI(ノボリ)」をクラウドで提供している(登録患者数:約5,180万人、2024年3月末時点)。さらに、ゼロトラストセキュリティを実現するパロアルトネットワークス社製プラットフォーム「Prisma Access」の国内における販売代理店を務めている。高セキュリティが求められるサービスの開発、運用経験を生かして、テクマトリックスがサービスの基盤運用を担当する。
サービス紹介ページ:https://koumu.benesse.co.jp/
サービス提供開始:2025年4月
主な販売対象 :全国の高等学校(中高一貫校含む)
販売価格 :生徒1人あたり年額3,960円(税込) ※別途、基本サービス料が発生。
学校からのお問い合わせ先 :
お客様サービスセンター 0120-350455(通話料無料)
受付時間/月~金8:00~18:00 土8:00~17:00 祝日、年末・年始を除く