日本人宇宙飛行士候補者の一般サバイバル技術訓練が終了

 宇宙産業における総合的なサービスを展開するSpace BD株式会社(東京・中央区、永崎将利 代表取締役社長)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から事業者選定を受けた日本人宇宙飛行士候補者の基礎訓練(一般サバイバル技術訓練)を実施し、全プログラムが終了したことを発表した。
 2024年4月から実施してきた基礎訓練(一般サバイバル技術訓練)ではこれまで、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟とともにサバイバル環境で必要とされる基礎知識の習得を目指した講義・実演および、実際の技術の定着を目指した1泊2日の野外訓練を行った。加えて、演劇的手法を用いて、リーダーシップ・チームワーク・コンフリクトマネジメントを学ぶ合意形成ワークショップも実施した。
 そして2024年7月には、より厳しい環境下でのサバイバル技術の習得・発揮を目的に、陸上自衛隊 板妻駐屯地 第34普通科連隊の協力のもと、山中での1泊2日に亘る2回目の野外訓練を実施した。日本人宇宙飛行士候補者2名は同社社員等で構成された隊員とそれぞれに班(分隊)を編成し、重い荷物を背負い、地図を判読しつつ長距離を移動したほか、野外でのテント設置や仮眠、さらにはけが人発生を想定して担架で運びながら移動を続けるなど、サバイバル技術を習得した。同時に、日本人宇宙飛行士候補者は分隊長として、過酷な環境下においてミッションを遂行するためのリーダーシップも求められた。
 終了後、諏訪理さんから「地図やコンパスを使用し長距離移動する技術を学びながら、リーダーシップスタイルの引き出しを増やす重要性を感じた。今回学んだことを、今後のリーダーシップを発揮する場面でも活かしたい。」、米田あゆさんから「サバイバル環境下で生き延びることの難しさを感じたが、限られたリソースの中で工夫や知識・技術・あきらめない心・チームで協力することが生存率を大きく左右することも実感した。緊急事態が起こらないことを願うばかりだが今回学んだことを活かしていきたい。」とコメントいただきました。
また2024年8月には、4月から実施してきた基礎訓練(一般サバイバル技術訓練)全体を振り返り、諏訪理さんから「サバイバル訓練のイントロダクションとして、海外での訓練の前に日本でベーシックな考え方やスキルを学べたことは大きな自信になった。いろいろなリーダーシップを試すことができ、非常に効果的な訓練だった。」、米田あゆさんから「常々変わる状況を認識し決断を連続していく重要性を学んだ。今回日本で訓練したことを身に着け、今後海外での訓練で実践していけるよう頑張りたい。」とコメントした。
日本人宇宙飛行士候補者の2名は様々な訓練を経て、10月21日付で宇宙飛行士認定をした。

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