じゅけラボ予備校(大阪市・北区、後藤 智則 代表取締役)は、浪人経験がある19歳〜26歳の男女373人を対象に、浪人期間の「塾・予備校の利用率」と「塾・予備校へ行かなくなった経験」に関する実態調査を実施した。
■調査概要
調査概要:浪人期間の「塾・予備校の利用率」と「塾・予備校へ行かなくなった経験」に関するアンケート
調査期間:2023/12/21~2023/12/25
調査方法:インターネット調査
有効回答:事前調査で「浪人生の経験がある」と回答した19歳〜26歳の男女373人
■81.2%の浪人経験者が塾・予備校を利用 浪人生にとっての塾・予備校の必要性が明確に
塾に通っていた:23.6%
予備校に通っていた:48.3%
塾と予備校両方に通っていた:9.4%
通っていない:18.8%
浪人経験者373人を対象とした今回の調査によれば、23.6%が塾、48.3%が予備校、9.4%が塾と予備校両方に通っており、81.2%が、塾や予備校のいずれかまたは両方を利用していることが明らかになった。これは、浪人生の学習において塾と予備校の役割が非常に大きいことを示している。
■18.8%の浪人経験者が従来の予備校や塾を利用せず独学の道を選択
自らの意志で塾や予備校を利用せずに宅浪独学の道を選択したかどうかまでは定かではないが、浪人経験者の約18.8%が塾や予備校に通わず、独学で学習を進めていたことが明らかになった。
現在は浪人生向けの学習サービスも多様化しており、市販の問題集を使用した完全独学から、通信教育、オンライン学習サービスや学習アプリ、独学支援の学習管理サポートサービスなど選択肢も多数存在している。今回の調査結果から浪人生たちが経済状況や自分に合った学習方法を選択していることがうかがえる。
■浪人経験者の39.3%が塾・予備校へ行かなくなった経験がある
ある:39.30%
ない:60.70%
調査した浪人経験者373人中の、「塾または予備校を利用していた浪人経験者」303人にさらに調査した結果、39.3%が塾または予備校へ途中で行かなくなった経験があると回答した。この中には一時途中で行かなくなったことはあるが再度通学した人、そのまま辞めた人も含まれる。
なぜ約4割の浪人経験者は塾・予備校に行かなくなったのか? 多様な理由が浮かび上がる
健康上の問題や精神的なストレス:21.0%
予備校や塾に対するモチベーションの低下:16.8%
提示された計画通りに学習できなかった:13.4%
講師やクラスメートとの相性が悪かった:11.8%
自習や他の勉強方法の方が効果的だと感じた:10.9%
経済的な理由(授業料の支払いの継続が難しい、交通費などの負担がきつい):7.6%
授業内容やカリキュラム、レベルが合わなかった:6.7%
交通の便が悪い:6.7%
教材が不十分だと感じた:2.5%
他の学習機会(オンライン講座やプライベートレッスンなど)を見つけた:0.8%
大学進学自体を辞めることにした:0.8%
その他:0.8%
理由1位:健康上の問題や精神的なストレスが最大の要因(21%)
「健康上の問題や精神的なストレス」が21%という割合で、塾や予備校へ行かなくなった最大の理由として挙げられた。この結果は、浪人生が直面する精神的プレッシャーの高さを示しており、塾や予備校は浪人生の心身のウェルビーイングにもっと注意を払う必要があることを示唆している。
理由2位:予備校や塾に対するモチベーションの低下(16.8%)
「予備校や塾に対するモチベーションの低下」が16.8%で2番目に多い理由となった。学習意欲の維持が浪人生にとって大きな課題であり、教育方法の見直しや新しいモチベーション維持策が求められていることを示している。
理由3位:提示された計画通りに学習できなかった(13.4%)
「提示された計画通りに学習できなかった」ことが13.4%の浪人経験者にとって塾や予備校から足が遠のいた理由となった。このデータは、柔軟で個別化された学習計画の必要性を示している。
理由4位:講師やクラスメートとの相性が悪かった(11.8%)
「講師やクラスメートとの相性が悪かった」ために塾や予備校に行かなくなった経験があると答えた浪人経験者が11.8%いた。この結果は、教育の質だけでなく、人間関係が学習環境に大きな影響を与えることを示す。
理由5位:自習や他の勉強方法の方が効果的だと感じた(10.9%)
「自習や他の勉強方法の方が効果的だと感じた」ために塾・予備校を辞めたと答えた浪人経験者が10.9%いた。このことは、塾や予備校が提供する学習カリキュラムや学習環境がすべての学生に適しているわけではなく、より個別化された学習カリキュラムの提供が必要なことを示している。
理由6位:経済的な理由(7.6%)
授業料の支払いの継続が難しい、交通費などの負担がきついなどの経済的な理由が7.6%の浪人経験者にとって塾や予備校を辞める、もしくは一時行かなくなる主要な理由となっている。授業料や交通費の負担が大きいために、多くの学生が教育機会を失っている現状が浮かび上がった。
他は交通の便の悪さ、教材不足、教育内容の不一致等
浪人生が塾や予備校を辞めたり行かなくなる理由はさまざま。理由の7位としてあがったのが、「交通の便の悪さ」と「授業内容やカリキュラム、レベルが合わなかった」が共に6.7%だった。この結果から地理的な制約が学習機会に影響を及ぼしている一方で、塾や予備校が提供している学習カリキュラムや授業内容が全ての学生のニーズに応えていない現状も明らかになった。
次に、理由の8位として2.5%の学生が「教材が不十分だと感じた」ことで塾や予備校から足が遠のいている。塾や予備校が提供する教材の質と量が学生のニーズに必ずしも応えていないことが浮き彫りになっている。さらに、各0.8%の学生が「オンライン講座の利用」「大学進学の断念」「その他の理由」で塾や予備校を辞めており、学習環境や進路選択の多様性を示している。
今回の調査結果から、81.2%の浪人経験者が塾または予備校の教育サービスを利用しており、浪人生にとって塾と予備校が重要な学習支援の役割を果たしていることがわかった。一方で、18.8%の浪人経験者は独学を選択し、このグループは市販の問題集、通信教育、オンライン学習サービスなど多様な学習手段を活用している。
しかし、塾または予備校を利用していた浪人経験者の中で、39.3%が途中で塾や予備校に行かなくなった経験(辞める・または一時行かなくなる)をしている。その理由として最も多かったのは「健康上の問題や精神的なストレス」(21%)、次いで「予備校や塾に対するモチベーションの低下」(16.8%)だった。その他の理由には「提示された計画通りに学習できなかった」(13.4%)、「講師やクラスメートとの相性が悪かった」(11.8%)、「自習や他の勉強方法の方が効果的だと感じた」(10.9%)などがある。
さらに、「経済的な理由」で辞めた生徒も7.6%いた。また、「交通の便の悪さ」と「授業内容やカリキュラム、レベルが合わなかった」の理由で辞める生徒もそれぞれ6.7%いた。教材の不十分さが理由の生徒は2.5%で、一部の生徒はオンライン講座や大学進学の断念などの他の理由で辞めている。
この調査結果は、塾や予備校が浪人生の多様なニーズにどのように対応していくべきかという課題を浮き彫りにするものとなったと、じゅけラボ予備校はまとめた。