一般社団法人路上博物館(東京・文京区、森健人 代表理事)はカプセルトイメーカーの株式会社SO-TA(東京・渋谷区、安藤こうじ 代表)と共同で日本初の動物園や博物館に由来する標本を3Dスキャンしたデータを基に作った「路上博物館 特別展-植物食-」を2024年4月に発売する。
この商品は地方独立行政法人天王寺動物園(大阪市、向井猛 園長)・群馬県立自然史博物館(群馬・富岡市、藤巻薫館長)・株式会社池田動物園(岡山県岡山市、代表取締役社長池田厚子)にそれぞれ由来する標本を3Dスキャンして作成した。本物の標本にある歪みや欠けなども可能な限り再現をした商品となる。
足掛け1年以上にわたり、実際に路上博物館が博物館・動物園に足を運び現地で3Dスキャンをしてきたデータを基に作成した3Dモデルをベースに金型を作成した。また金型の調整とあわせて各標本の見どころや特徴的な形状をなるべく精密に再現した商品となっている。
商品は3ヶ所の動物園・博物館から各1種類ずつ、合計3種類の動物の頭骨標本を再現した。カラーバリエーションは骨格標本の色を再現した「リアルカラー」と凹凸を観察しやすい「グレー」の2食と合計6種類の商品ラインナップとなっている。
(1)天王寺動物園由来…キリンのケニヤ
1990年生まれ、2001年から2012年まで天王寺動物園で飼育されていたオスのアミメキリン。死亡時は22歳で当時は国内で2番目に高齢のキリンだった(オスでは当時最高齢)。額のデコボコの大きさと正面から見た時の口の歪みが特徴的で、商品でもこの2点の特長の再現には特にこだわった。
(2)群馬県立自然史博物館由来…野生由来のカバ
群馬県立自然史博物館に収蔵されているカバ。この個体は野生由来の個体であるため年齢等は不明だが、歯の萌出段階からまだ若年の個体であると推定される。同館が開館にあわせてケニアの国立博物館から入手した。実物の標本では一部破損が見られるが、修復した形で商品化を行った。3Dモデルと比較することで修復箇所が確認できるようこだわった。
(3)池田動物園…ゾウのメリー
1967年にタイから池田動物園に来園したインドゾウのメスの個体。2016年に51歳で亡くなった。約半世紀にわたり池田動物園の顔として多くの人々に親しまれてきた個体だ。高齢になるまで丁寧に飼育されており、高齢化や長年の食べ方の癖に伴う歯のすり減り方などの再現にこだわって制作した。