巻頭言
インドと中国が新たな人材供給源になっている。両国の人口の多さが一因だが、更に重要な要因がある。「インドと中国の学生がなにを学んでいるかという点だ。欧米の学生が学ぶジャンルが人文系の学問や芸術なども含めてきわめて多岐にわたるのに対し、(中略)中国やインドの学生は理工系の学問を勉強するケースが非常に多い。二〇〇八年、インドと中国はそれぞれ、エンジニアリングとコンピュータ科学の分野で大学院修了レベルの学生をアメリカの二倍生み出した。同じ年、アメリカでエンジニアリング分野の修士号を取得した学生の四〇%、博士号を取得した学生の六〇%が外国人で、そのほとんどがインド人と中国人だった。」(リンダ・グラットン著「ワーク・シフト」)
韓国でIT関連産業が発展したのは、大学等で理系分野を学ぶ学生に対し、懲役義務を大幅に緩和したためだと云われている。
国家の方針として、何等かのインセンティヴを設けている。
我が国はどうだろうか。先ごろ文部科学省が大学設置認可後の「設置計画履行状況調査」を実施し、惨状を報告した。曰く、半数の大学で教員数が設置基準に満たない、英語の授業でbe動詞の基本的英文法を教えていた等々。
彼我の差があまりにも大きい。
お上に任せておいて良いのだろうか。個々の学習塾が、または業界全体として、大きな志を抱き、未来の絵を描き、それを担う人材を輩出することに努めなければならないのではないか。幕末の「時」のように。
(如己 一)
目次
- 6 CatchUp1 株式会社グランス+株式会社英俊社 全国の高校入試に対応、東日本大震災をきっかけに生まれた 自立学習システム「Twenty Miles」とは
- 8 CatchUp2 津田塾 夢や志を育むことで今なすべきことが明らかに
- 10 CatchUp3 株式会社アイキューブ 教室内だけでなく、塾経営も拡がる「学習塾専用管理システム「ICC systems」
- 16 Special Report 第11回 全国模擬授業大会 in Nagoya チョーク1本で教育改革を
- 20 HOT TOPICS 今、灘中合格日本一の塾が「非認知能力」に注目する理由
- 24 挑む私学 洛星中学校 高等学校
- 27 目次・巻頭言
- 28 NEWS ARCHIVES
- 58 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
- 59 【特集】① 株式公開企業塾 2024年2・3月期第2四半期(2Q)決算を読む
- 59 【特集】② 塾のスポーツ事業
- 88 企業研究(130) BCホールディングス株式会社
- 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(358)
- 92 疾風の如く(172) スタディデザイン(宮城県) 代表 押切 友秀 さん
- 94 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(127)
- 96 白書界隈徘徊話(104)
- 100 PAPER Review(3)
- 102 自ら動き出すチームにする方法(111) 中谷彰宏
- 104 シン・ジュクジン(25)
- 105 芸術見聞録(125)
- 106 わが子、就学中(33)
- 107 塾長の机
- 108 為田裕行の「教育ICT行」(105)
- 109 10¹⁵ PETA(33)
- 110 現代学習塾経営概論(9)
- 112 林明夫の「歩きながら考える」(220)
- 114 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(52)
- 116 私塾界インサイト(69)
- 120 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(25)
- 122 咲かせよ桜(106) 小林哲夫
- 126 論点2023(12) ジェネリックスキル
- 130 編集後記
- 132 Book Review
- 134 塾長のためのガジェット講座