巻頭言
日本は「低学歴国」になりつつある。
日本の博士号取得者の数は他の先進国を大きく下回り、しかも10年前よりも減少している。
文部科学省「科学技術指標2021」で人口100万人当たりの博士号取得者数を見ると、日本は米英独韓4カ国を大きく下回っている。日本の博士号取得者は2018年度に120人だが米国は281人。ドイツは336人、英国は375人、韓国は284人だ。
しかも、10年前の08年より減少しているのは、日本だけだ。
背景には修了後の不安定な雇用状況があるとみられている。同省によると、18年度の博士課程修了者のうち20年時点で29%が非正規雇用だった。ポスドク(任期付研究員)や契約社員が多かった。
次に、日本の研究力を見てみよう。注目度の高い科学論文数の国際順位は1990年代前半まで世界3位だったのが18年は10位まで落ちた。同じ平成の30年間に産業競争力も低落。鉄鋼・造船のような重厚長大型産業だけでなく、家電製品やパソコン、半導体のようなハイテク分野でも国際市場シェアの低下が進んだ。
科学技術だけではない。経営者の学歴差も鮮明だ。経済産業省作成の資料によると、日米の時価総額上位100社の経営者のうち、日本では84%が学部卒で大学院修了は15%。米国は67%が院卒で、博士課程修了者も1割いる。
学習塾は大学進学を念頭に運営されている。今後は大学院進学まで視野に入れる必要がありそうだ。
(如己 一)
目次
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- 8 CatchUp2 株式会社サテライトネット 英会話力も英作文力も鍛えられる「WiLLies ENGLISH」
- 10 CatchUp3 株式会社明日葉 学童でプログラミング教育を推進 決め手はマイクラッチ。
- 12 CatchUp4 トップ・エデュケーション株式会社 都会に負けない先取り学習で国公立大学を目指す
- 14 CatchUp5 明星中学校・高等学校 「目に見えない学力」の養成で、大学進学実績が大幅に向上
- 20 HOT TOPICS【米国最新レポート】グレートリセットはすでに始まっている。 生成AIが世界の教育現場にもたらすかつてない変化とは?
- 24 挑む私学 実践学園中学・高等学校
- 27 目次・巻頭言
- 28 NEWS ARCHIVES
- 56 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
- 57 【特集①】 株式公開企業塾 2024年2・3月期 第1四半期(1Q)決算を読む
- 66 【特集②】 生徒募集2023
- 78 TOP LEADER Interview 高品質・低価格の教育で、教育格差の是正を。 新教育総合研究会株式会社
- 88 企業研究(128) 株式会社カンリー
- 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(355)
- 92 疾風の如く(169) 三井塾(東京都) 塾長 三井 慎太郎 さん
- 94 For Whom the 塾 Tolls(27)
- 96 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(124)
- 98 白書界隈徘徊話(101)
- 100 塾の家計簿(75)
- 102 自ら動き出すチームにする方法(108) 中谷彰宏
- 104 シン・ジュクジン(22)
- 105 芸術見聞録(122)
- 106 わが子、就学中(30)
- 107 塾長の机
- 108 為田裕行の「教育ICT行」(102)
- 109 10¹⁵ PETA(30)
- 110 現代学習塾経営概論(6)
- 111 Opinion from School(51)
- 112 林明夫の「歩きながら考える」(217)
- 114 新・授業改革を目指して(134) 石川幸夫
- 116 私塾界インサイト(66)
- 120 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(22)
- 122 咲かせよ桜(103) 小林哲夫
- 126 論点2023(9) DAOとは
- 130 編集後記
- 132 Book Review
- 134 塾長のためのガジェット講座