「中退理由にコロナウイルスが関係している」 調査開始から通期で最多 ジェイック調査

 株式会社ジェイック(東京・千代田区、佐藤 剛志 代表取締役)が運営する中退者専門の就職支援サービス「ジェイック 中退就職カレッジ」は、「ジェイック 中退就職カレッジ」の受講生に対して行った中退に関するアンケート結果を発表する。(回答者331名、調査日2022年4月1日-2023年3月31日)

■「中退理由にコロナウイルスが関係している」26.2% 調査開始から通期で最多

「新型コロナウイルスがなければ中退をしていなかったと思いますか」と質問したところ、26.2%が「中退理由にコロナウイルスが関係している」と回答しました。本設問の回答結果は、2020年度通期が14.0%、2021年度通期が15.5%であったことから、今回の結果は過去3年間で最多の結果となった。

■就活の進め方、「就活しようと思ったが、やり方がわからなかった」が36.1%

「就職活動をどのように進めようと思っていたか」質問したところ、1位「ネットの求人サイトで」が44.5%、2位「就活しようと思ったが、やり方がわからなかった」が36.1%、3位「民間の紹介会社等に相談」が11.5%となった。ジェイックに登録する中退者の方からは、「中退という状況は、新卒でもなく、正社員経験もなく中途採用の対象でもないため、どう就職活動を進めていけばよいかわからなかった」などの声が寄せられている。

 調査結果について、8年以上中退者を含む若年層の就職支援に携わっている小久保氏は、次のように述べている。

「『中退理由にコロナウイルスが関係している』との回答が通期で過去最多になった1つの要因として、約3年間続いたコロナ禍の影響で、思うような学生生活が送れなかった方の中退が現在も続いていることが挙げられます。中退された方からは『オンライン授業で友人関係が築けなかった』『演習科目がオンラインになったことで授業に興味を持てなくなった』『留学が中止になり、目指したいものが分からなくなってしまった』といった声が当社に寄せられています。また文部科学省が2023年6月に公表した『令和4年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果』においても、中退理由として『学生生活不適応・修学意欲低下』が2番目に多い結果となっています。

『就職活動のやり方がわからなかった』との回答が3割を超えた要因としては、中退により、新卒としての就職活動ができなくなったことが挙げられます。少し古いデータになりますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構は2015年に、「卒業者と中退者では、正社員就業の有無、離学からの期間は異なり、中途退学者では、正社員になっていない者、なったとしても離学から時間がかかった者が多い」と発表しており(※1)、大学中退者の正社員就職率は44.2%と、大卒の正社員就職率の72.1%より低い結果となっています(※2)。

就職活動の進め方や応募できる求人がわからないがゆえに、正社員就職を希望しながら非正規雇用を続けている中退者の方は多数いることが予想されます。当社は今後も、学校を中退し、新たな目標に向かって社会人になりたいと希望する方々が今後の人生を切り拓いていく一助となれるよう、就職支援を行ってまいります。」

※1 独立行政法人労働政策研究・研修機構『大学等中退者の就労と意識に関する研究』

※2 ※1の資料内「正社員就業までの期間(25~29歳)」をもとに当社算出

【調査概要】

調査名称:中退者、中退予定者に対するアンケート

調査対象:当社サービス「ジェイック 中退就職カレッジ」受講生

調査機関:自社調査

調査方法:Webアンケート

回答者数:331名

調査期間:2022年4月1日-2023年3月31日

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