AI教材「atama+(アタマプラス)」を提供するatama plus株式会社(東京・港区、稲田 大輔 代表取締役CEO)は、中高生の保護者453名を対象に、「生成AIの認知度と子どもの学習への利用意向」を調査した。その結果、およそ9割が「ChatGPT(生成AI)」を認知していることが明らかになり、子どもの学習への利用意向については、利用意向の高い層(36.7%)が低い層(15.4%)を21.3ポイント上回った。
Open AI社のChatGPTをはじめとした生成AIが急速に社会に広まる中、文部科学省が23年夏に向けて生成AI活用ガイドラインの作成に動き出すなど、教育現場での利活用について議論が始まっている。atama plusでは、生成AIを子どもの学習に使うことについて、中高生の保護者がどのように捉えているかを明らかにするためにアンケート調査を実施した。
【調査テーマ1:ChatGPTの認知度】
中高生保護者の9割が「ChatGPT」を認知。聞いたことがある教育ITに関するキーワードの中でも「メタバース」を超えて「ChatGPT」がトップに。
「ChatGPT」の認知度に関する調査では、「言葉は聞いたことがある(50.6%)」と「言葉も内容も知っている(38.4%)」をあわせて保護者のおよそ9割が認知している結果となった。
「聞いたことがある教育ITに関するキーワード」について複数回答で聞いたところ、近年注目を集めていた「メタバース(62.0%)」を4ポイント上回って「ChatGPT(66.0%)」がトップとなった。一方で「生成AI/ジェネレーティブAI」を選んだ人は16.3%に留まっており、技術分野としてよりも「ChatGPT」という単一サービスとして知られている実態も明らかになった。
【調査テーマ2:子どもの学習におけるChatGPTの利用意向】
およそ半数が「どちらとも言えない」と回答。利用意向の高い層が、低い層を21.3ポイント上回る結果に。
子どもの学習への利用意向については、およそ半数が「どちらともいえない(47.9%)」と回答した。残りの半数について利用意向が高い層と低い層を比較すると、利用意向が高い層が36.7%で、利用意向が低い層の15.4%を21.3ポイント上回る結果となった。
【調査テーマ3:子どもの学習でChatGPTを使うにあたって不安なこと・期待すること】
不安なことには「思考力や記述力が育たなくなること」「AIに依存しすぎること」などが上位に。期待することは「子どもが自身の興味関心を探求すること」「AIを手段として使いこなす力を身につけること」。
子どもの学習でChatGPTを使うにあたって、保護者が不安なことのトップ3は、「子どもの思考力や記述力が育たなくなること(44.4%)」、「子どもがAIに依存しすぎること(43.4%)」、「子どもが誤った情報や嘘を鵜呑みにしてしまうこと(36.5%)」であり、具体的なデメリットとしてしばしば指摘されている項目が選ばれた。続く4位・5位は「子どもにどのような影響を及ぼすかわからないこと(31.5%)」、「そもそも何ができる技術かよく分からないこと(17.6%)」で、新しい技術ゆえの不安感も垣間見える結果となった。
期待することのトップ3は「子どもが自身の興味関心を探求すること(42.4%)」、「AIを手段として使いこなす力を身につけること(37.0%)」、「AIの回答をもとに批判的思考力や問題解決力を養うこと(29.5%)」だった。急速に変化する社会において、子どもたちがAIを手段として使いこなし社会でいきる力を身につけていくことへの期待もうかがえた。
【まとめ】
中高生の保護者の間でもChatGPTの認知度は高く、改めて注目度の高さが浮き彫りになった。子どもの学習における利用意向について、半数が「どちらともいえない」と答えた結果からは、世の中で具体的な活用例が広まっておらず、メリット・デメリットが明確になっていないことが背景にあると考えられる。一方で、AIを使うことで、子ども自身の力を伸ばす助けになると期待を寄せる保護者も一定数存在していた。
教育現場においては、教育者が実際に使いながら問題点を正しく認識した上で、子どもたちの力を伸ばす助けとするためにどう活用していくかを継続的に議論し、環境を整えていくことが必要だと言えそうだ。
◆ 調査概要
調査テーマ:生成AIの認知度、子どもの学習への利用意向
調査対象:全国の中高生の子どもを持つ保護者453名(40代〜60代)
調査方法:インターネット調査(Fastask)
調査期間:2023年6月2日〜6月7日