国立大学法人岡山大学(岡山市・北区、槇野博史 学長)の学術研究院医歯薬学域(医)岡山県北西部(新見)総合診療医学講座(総合内科学)の大塚勇輝助教、瀬戸内(まるがめ)総合診療医学(総合内科学)の萩谷英大准教授と、大学院医歯薬学総合研究科附属医療教育センターの小山敏広准教授らの研究グループは、「日本紅斑熱」発生数の公開データを用いて20年間分の発生率を年齢層・都道府県ごとに推算し、トレンド解析の手法を用いて検討することで、その変化率をはじめて定量化した。
今回の発表のポイントは
・社会的問題になっているダニ媒介感染症「日本紅斑熱」の発生率を年齢層・都道府県別に20年間分のトレンドを解析し、本邦での増加率を定量的に報告した。
・日本紅斑熱は全体として指数関数的に増加しており、高齢者層や、これまで多発地域と思われていなかった東日本の都道府県においても増加傾向であることを明らかにした。
・地球温暖化や人間活動の影響がその原因として示唆され、世界的なダニ媒介感染症の流行に対する公衆衛生学的対策を検討する上で重要な発見と思われる。
日本紅斑熱の発生は日本全体として指数関数的に増加しており、特に、高齢者層や、これまで多発地域と思われていなかった東日本の都道府県において急増していることを明らかにした。
地球温暖化や人間活動の影響がその原因として示唆され、世界的なダニ媒介感染症の流行に対する公衆衛生学的対策を検討する上で重要な発見と思われる。
この研究結果は、論文としてまとめられ、2023年2月6日に熱帯医学領域の英文誌「American Journal of Tropical Medicine and Hygiene」に掲載された。
論文名: Trends in the Incidence of Japanese Spotted Fever in Japan: A Nationwide, Two-Decade Observational Study from 2001-2020
掲載誌: American Journal of Tropical Medicine and Hygiene
著 者: Yuki Otsuka, Hideharu Hagiya, Shinnosuke Fukushima, Ko Harada, Toshihiro Koyama, Fumio Otsuka
D O I : https://10.4269/ajtmh.22-0487
U R L: https://www.ajtmh.org/view/journals/tpmd/aop/article-10.4269-ajtmh.22-0487/article-10.4269-ajtmh.22-0487.xml