日本財団(東京・港区、笹川陽平 会長)は、「ヤングケアラーとその家族に対する支援」を加速させるために、長崎県大村市と連携モデル事業を実施することになり、2022年12月22日、大村市との連携協定締結式が日本財団ビルにて行われた。
このモデル事業では、2022年12月から2026年3月までの3年間でヤングケアラーを早期に発見し、支援先につなげ、実際に支援を提供するモデルの構築と支援体制の整備を行う。また、今後はヤングケアラーに対する効果的な支援について検証し、政策提言へ行っていく予定。
ヤングケアラーは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話など、本人の年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負うことで生活や学業へ影響があることから、実態の把握及び支援の強化が求められている。ヤングケアラーの発見から支援の提供までには以下のような課題がある。
①見つからない:ヤングケアラーであることの本人、周囲の自覚がない
②支援につながらない:医療・教育・福祉の現場の連携が不十分、支援体制が確立されていない
③支援制度がない:上記から実態の把握が難しく、適切な支援制度が存在しない
【大村市との連携モデル事業の内容】
日本財団の支援先であり、子どもの発達・学びのためのフリースクール運営等の実績をもつNPO法人schootが、ヤングケアラー専用相談窓口を開設。
ヤングケアラー本人のほか、学校・医療機関等の関係機関からのヤングケアラーに関する問い合わせを受け、大村市と連携して必要な支援を提供する。他にも、関係機関への研修会実施による啓発活動を実施予定している。