ヤマハ株式会社は、2022年11月よりエジプト国の公立学校「エジプト・日本学校(以下、EJS)」40校にて、リコーダーを使った器楽教育を開始した。エジプトでは、2021年11月より9校にて器楽教育を導入しており、実施校を拡大し、日本式音楽教育の普及を推進する。
ヤマハ株式会社は、これまで総合楽器メーカーとして、楽器を実際に演奏して学ぶ「器楽教育」のメリットを世界各地の音楽教育現場に広めてきた。その中でも2015年より新興国を中心に展開している「スクールプロジェクト」は、楽器に触れる機会に恵まれなかった子どもたちにも演奏する楽しさを知ってもらえるよう支援する取り組み。これまでにマレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、ブラジル、アラブ首長国連邦、エジプトの7か国累計129万人(2022年3月末)の子どもたちに器楽学習の機会を提供し、楽器演奏を楽しむ環境づくりを支援してきた。
この活動では、持続可能な開発目標(SDGs)の目標4:「質の高い教育をみんなに」、目標10:「人や国の不平等をなくそう」および目標17:「パートナーシップで目標を達成しよう」への貢献とともに、器楽教育を通した子どもたちの非認知能力の育成、そしてエジプトの教育事情に寄り添った音楽の普及活動におけるビジネスモデルの策定を目指している。
<概要>
初年度9校から40校に器楽教育実施校を拡大
日本式音楽教育を取り入れた教材を新たに作成
1.初年度9校から40校に器楽教育実施校を拡大
2021年11月より、EJS9校の小学3・4年生を対象にリコーダーを使用した器楽教育を開始し、初年度の学習を終えた。学年末には各校にて発表会が実施され、学習の成果を発表している。2022年11月からは実施校を40校に拡大する。
2.日本式音楽教育を取り入れた教材を新たに作成
ヤマハ株式会社は、東京学芸大こども未来研究所とともに、音楽のカリキュラムが整備されていない小学3年生を対象に、日本式教育で採用している表現領域(歌唱・器楽・音楽づくりまたは創作)と鑑賞領域(鑑賞)を踏襲した音楽科の教材を作成した。EJS40校にて、本教材を用いた音楽科教育を実施することで、子どもたちの非認知能力の育成も目指している。また、教材の導入にあたり、エジプト教育・技術教育省と連携して、音楽科教員研修を実施しており、今後も継続した教員研修を予定している。