三菱重工グループの三菱造船株式会社(北村 徹 社長、横浜市・西区)は10月13日、独立行政法人国立高等専門学校機構 大島商船高等専門学校向け練習船の命名・進水式を、三菱重工業下関造船所江浦工場(山口県下関市)で行った。「大島丸」と名付けられた本船は今後、艤装工事、試運転などを経て2023年3月に同校へ引き渡された後、学生の航海実習や運航・海洋に関する調査実験などに従事する予定。
練習船としては4代目に当たる大島丸は、同校にとって1993年以来29年ぶりとなる新しい船で、3代目の現行練習船から2代続けて同工場で建造を担っている。利便性とセキュリティーを考慮した女子学生専用エリアや趣向を凝らした船内照明・内装デザイン、快適な学習・居住環境などが特長で、災害時における船外給水、給電、支援物資輸送、居住設備提供といった支援船としての機能も有している。
多機能トイレや病室を船内入口付近に配置し、船内の段差を減らしてスムーズな移動を実現するなど使いやすさも考慮。さらに、電気推進方式を採用した上でリチウムイオンバッテリーを搭載し、船内発電機関との並列運転による省エネ、接岸時のバッテリー単独給電による環境負荷の低減、船内騒音・振動の低減による居住環境の向上なども期待がされる。