月刊私塾界2022年10月号(通巻498号)

巻頭言

 比較的落ち着いて生徒指導に集中できる時期を迎えていることと思う。
 しかし、次年度の事業計画を策定中のところが多いのではないかと推察する。
 その中で授業料をどうするか決めたであろうか。これだけ物の値段が上がり、物価上昇の先が見えない中で。
 学習塾最大の経費である人件費に頭を悩ませる。
 原価計算を厳密に実施しているところは少ないであろうから、どの程度授業料をあげたらいいのか、あげられるのか、なかなか見当がつかない。
 競合他社の状況を見てから決めるのでは、1周遅れになってしまう可能性があるため、それもできない。
 原価計算をしてこなかったツケが回ってきた。
 国語の授業でテキストの文章を音読させると、その生徒の読解力をおおよそ把握できる経験をお持ちの方が多い。
しかし、その科学的根拠を考えたことがある方は極少数だ。
例えば1年生までは、文字を1文字ずつ読んでいるが、2年生くらいからはまとまりで読むようになる。読み方によって、脳で処理する場所が違う。
 ことほど左様に塾人は経営でも、生徒指導でも経験則だけに頼りがちである。
 経験則に従うことが悪いわけではない。それだけで済ませてしまうことが問題なのである。
 一度我が身を振り返っていただきたい。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社アクアプランネット「よりよく生きるために」その理念に基づき多彩なサービスを展開
  • 8 CatchUp2 名門公立高校受験道場「自学力」武器に 全国の個人塾が協働し、名門公立高校受験道場を組織化
  • 10 CatchUp3 株式会社ウイングネット 変化する入試、進化するウイングネット
  • 12 CatcUp4 株式会社コンシェルジュ+個別指導塾テスティー株式会社 LINEマーケティングツール『KUZEN LINK』で新たな顧客との接点とその可能性を追求
  • 14 CatchUp5 株式会社サテライトネット 密度の濃いカリキュラムと質の高い講師 しかも加盟金・システム費・研修費・登録料は0円
  • 22 HOT TOPICS【緊急提言】今、教育関係者に求められる意識改革とは? 2030年 これだけ変わる教育業界〈前編〉
  • 26 Special Report 2030年に向けて学習塾がいま解決すべき課題 ~オレコからワンパスオレコへ~
  • 32 挑む私学 灘中学校高等学校 卓越した頭脳が集結する関西の名門校が、生徒の才能を引き出す仕組み
  • 35 目次・巻頭言
  • 36 NEWS ARCHIVES
  • 64 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 65 【特集】 共通テストの新科目『情報Ⅰ』とは
  • 78 TOP LEADER Interview 100億円企業へ間近、規模拡大より、地に足の着いた事業展開を。SOUEIグループ
  • 92 教育サービス業界 企業研究(119) 株式会社イリス
  • 95 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(344)
  • 96 疾風の如く(159) 寺子屋ISHIZUEs 代表 藤原 柏甫さん
  • 98 For Whom the 塾 Tolls(17)
  • 100 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(113)
  • 102 白書界隈徘徊話(91) 西村克之
  • 104 自ら動き出すチームにする方法(97) 中谷彰宏
  • 106 塾の家計簿(65)
  • 108 シン・ジュクジン(11)
  • 109 芸術見聞録(111)
  • 110 わが子、就学中(19)
  • 111 塾長の机
  • 112 為田裕行の「教育ICT行」(91)
  • 113 10¹⁵ PETA(19)
  • 114 1981(42)
  • 115 Opinion from School(40)
  • 116 林明夫の「歩きながら考える」(205)
  • 118 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(45)
  • 120 私塾界インサイト(55)
  • 124 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(11)
  • 126 咲かせよ桜(92) 小林哲夫
  • 130 論点2022(10) ESG投資とは
  • 134 編集後記
  • 136 Book Review
  • 138 塾長のためのガジェット講座

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